コーヒーが好き
恋愛系です。
後輩の横居さんが突飛な行動をします。
自販機で「スーパーコーヒー」の横の「普通コーヒー」を押す。
ガコン。
仕事終わりにいつもそれを買っているのだが、このコーヒーを飲むとホッとする。
今日も仕事が終わった。
帰ろうとすると、車の窓に誰かがいる。
誰だろうと思って振り向くと、後輩の横居さんがじーっと見ていた。
え? 何!?
「乗せてください」
「あれ? 車は?」
「置いて帰ります」
「ええ!?」
「一緒に帰りたいです。お願いします」
すごい熱意だ。
乗せよう。
「いつも休みの日何してるの?」
なんとなく当たり障りのない質問をしてみた。
「ひたすらコーヒー飲んでます」
「ええ!?」
不思議な人だった。
「へえ、コーヒーが好きなんだ。俺もコーヒー好きだよ」
「美味しいですよね!」
「ああ、あの渋い味が最高だな」
盛り上がった。
それから、憧れのコーヒーについて話し合った。
「俺、いつも『普通コーヒー』飲んでるんだけどさ、高いコーヒーには手が出ないな」
「ああ、あの『スーパーコーヒー』ですよね! 200円もするやつ。私もあれ飲んでみたいです」
「おお、一緒だ」
彼女とは気が合う。なんだか一緒にいると楽しい。
「先輩」
「ん?」
「私、先輩のこと好きです」
「え?」
「あっ、家ここです」
赤い自販機が目印のこの家。どうやらここが彼女の家らしい。
彼女との時間は楽しかった。今日は「普通コーヒー」飲まなくても眠れそうだ。
「あっ、先輩」
彼女が口を開く。
「ん? 何?」
「ちょっと待っててください」
そう言って彼女は走り出した。自販機の方に。
何かを買って帰ってくる。その手にはなんと「スーパーコーヒー」があった。
「先輩、一緒に飲みましょう」
「え? でも…」
缶が一個しかない。
「関節キスすれば大丈夫です」
えええ!?
その後、そのコーヒーを2人で飲んだ。なんだか恋の味がした。
好きなコーヒーを分け合うというシーンを最後に入れました。