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【WEB版】婚約者に浮気された令嬢は異国の強面盟主に溺愛される〜呪いで猫になりましたが、毎日モフられています〜【コミカライズ・電子書籍4巻配信中】  作者:
番外編

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使用人Aの災難

Twitterにて、キスの日のお題を募集したところ

「使用人Aと猫のミーがニアミス……」とリクエストをいただきましたので書きました

 これはまだミーが人に戻れることを知らなかった時のこと――――


「にゃんにゃにゃんにゃ~」

(天気も良くて、気持ちいいです)


 冬の貴重な晴れ間。

 温かい陽射しを浴びるため、私は窓際でお昼寝をしていた。

 しかし、ポカポカな日差しは徐々に凶器となり、私のモフモフな体を少しずつ攻撃する。ふわふわな白金の毛は十分すぎるほど熱を蓄え……


「うにゃぁ……」

(熱い……)


 寝ぼけたまま寝がえりをうつ私。その瞬間、体が宙に浮いた。


「にゃっ!?」

(えっ!?)


 窓際から零れ落ちていく体。なすすべなく迫る床。


「にゃぁ!」

(キャァ!)


 目を閉じて衝撃にそなえる。

 が、そこに声が。


「危ない!」


 床と私の間に滑り込んできた手。

 そっと目を開けると、目の前には使用人Aの顔が……って、近い! 本当に目と鼻の先に糸目の使用人Aが!


「大丈夫ですか?」


 いろんなことで心臓がバクバクの私に優しい声がかかる。常に冷静な糸目の使用人Aだけど、急いで駆け付けたのか肩で息をするほど呼吸が荒い。

 私は安心させるためにコクコクと頷いた。


「うにゃ」

(はい)


 痛みはないし、どこにも怪我はない。

 そのことに安心したように使用人Aがため息とともに脱力する。持ち上がっていた頭がコテンと私の前に落ちた。


「よかった……」


 額と額が引っ付きそうなぐらいの距離。


「う、うにゃにゃあぁ!?」

(ちょ、ちょっと近すぎませんか!?」


 慌てていると、私を受け止めている使用人Aの手がピクリと跳ねた。それから、ガクガクと小刻みに震えだし、地を這うような低い声が……


「これは、どういう状況だぁぁぁあ?」


 どす黒い闇を背負ったバーク様が使用人Aの背後に現れた。

 強面から極悪面に変貌している上に、殺気というか、得体の知れないナニかが放出されまくり。窓の外にいる鳥たちが一斉に逃げ出した。


 私を助けてくれた使用人Aの顔は真っ青を通り越して真っ白。グギギギギ……と油が切れたゼンマイのような動きで振り返る。


「あの、これは、その……」


 声を絞り出すのがやっと、という使用人Aに対して、バーク様が両手を組んでボキボキと指の関節を鳴らす。


「ミーにキスするなんて、覚悟はできているんだろうなぁ?」


 黄金の瞳が鋭く光り、口からは煙のような白い息の幻影が見えるほど。

 使用人Aが悲鳴に近い声で否定する。


「ち、違います! 誤解です! そのようなことは決して!」

「問答無用!」


 バーク様の拳が振り下ろされる前に使用人Aが転がって逃げる。しかも、私を手に持ったまま。


「うにゃぁぁ!?」

(私までぇぇぇ!?)


 攻撃を避けた使用人Aは素早く立ち上がり、部屋から脱出。雑に抱えられている私は激しく揺さぶられ、上も下も分からない状態に。


「ミーを離せ!」

「話を聞いてもらえるまで離しません!」

「ぶにゃぁぁあ!?」

(私は人質ですかぁぁあ!?)


 こうしてオンル様の仲裁が入るまで私は使用人Aに抱っこされたままバーク様から逃げることになり……

 私が解放された時、世界が回っていました。




8/10深夜0時より「婚約者に浮気された令嬢は~」のコミカライズが配信開始となります!

今月は二話同時配信!

来月からは第一木曜日に毎月一話配信の予定になっております!


ぜひぜひ、可愛い猫のミーとイケメンまっそうのバークたちをお楽しみください!(๑•̀ㅂ•́)و✧

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書き下ろし小説4巻が4月24日より配信開始
・4巻は竜族のギルドに届いた奇妙な依頼から、獣人の国がある東の大陸へ! そこは中華風ファンタジーな国でした+番外編では使用人A全員の名前がついに出てきます!
 
・1巻は第一章よりモフモフが増加+書き下ろし短編(温泉編)付き
・2巻は第二章よりWEBとは前半のストーリーを変更、イチャ甘を増量
・3巻は第三章を大幅加筆+番外編でバークとオンルの幼少期と出会い編の書き下ろしも収録!

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茶色井りす先生によるコミカライズ配信中
【毎月 第一木曜日1話配信】&【合本版1・2・3・4巻配信中】
可愛い猫のミーとイケメン筋肉のバークが漫画で読めます! 眼福、癒しコミカライズになっておりますので、ぜひ!
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