どいつもこいつも馬鹿ばっか
「え、別に付き合ってなくね?」
「え、そうなの?」
「おう、じゃあ、土曜な」
目の前でバタンと閉められたドアが無情にも、俺と衝撃の発言をぶちかました男とを引き離した
言葉の意味を飲み込む為、しばし、動作不良となっていたが、いつまでもドアの前に突っ立っている男を買い物帰りの主婦が怪訝な顔をして見てくるので、その場を離れる
歩きながら、考える
……え、俺たち恋人じゃなかったのか?
でも、ほぼ週2、たまに週4でヤってるし、土日は大体どっちかの家でダベったり、デートしたりしてるよな?
これって、付き合ってるって言わないの?
え、じゃあ、俺らの関係なに?友達?
「セフレだろ」
気になってしょうがなくて、夜しか眠れないので、会う約束をしていた土曜になる前に奴の家に突撃する
「…せふれ?」
「セフレ、セックスするフレンドの略」
いやいや、分かってるって
「でもさ、俺たち、ほぼ一緒にいるしさ
ヤるだけじゃなくて、デートしたりしてんじゃん
これって、恋人って言うんじゃないの?」
俺の発言にベットに寝転がって漫画を読んでいた男は馬鹿を見るような目で此方にちらりと視線を投げた
「遊んでるだけだろ
お前の中じゃ、2人で出掛けたら、デートになんのかよ」
わお、まさかの解釈違い
3年間、デートと認識していた俺はどうなるんでしょうか?
一瞥後、手にしている漫画に視線を戻す男に覆い被さる
2人分の重さにベットがぎしりと軋んだ
そろそろ、新しい奴買った方がいいんじゃないか?
「なーなー、じゃあさ、俺たち3年間セフレだったわけ?」
「だから、そうだって言ってるだろ?」
しつこく絡んだが、まったくの塩対応なので参ってしまう
男は俺の行動を勘違いしてか、読んでいたそれを閉じて目を合わせる
「なに?したいん?」
はぁ、そう言うことじゃないんだけど………
「……する」
そりゃ、しますよ、若いんだもん、したいっすよ
でも、そういうことじゃないんだよな……
X
「なぁ?お前、もしかして、他にいんの?」
「何が?」
「俺みたいな奴」
「お前みたいな?」
「だからー、他の奴ともヤッてんのか?って聞いてんの」
以上が、セフレと恋人の定義について深く考察した結果出てきた俺の疑問と全然質問の意図に気づかないあいつの会話
そして、以下がそれに対するあいつの答え
「はぁ?んなわけねーじゃん
お前とだけでも体力使うのに、そんな他の奴らとやれるかよ」
………セックスしてて、暇さえあれば一緒にいて、お互い他に相手がいない……
え?付き合ってない?これ??
俺がおかしいのか?俺のこれまでの価値観がおかしかったのか??
X
「なーなー、何で付き合ってないの?俺たち」
「……」
「おーい、聞いてる?」
「あぁ?お前、しつけーんだよ!
ねちねちねちねちやりやがって
挙げ句の果て、またそれか
俺はもう疲れたの、明日も早えの」
「……」
背を向ける男、黙り込む俺
「…ったく、しょげんなよ」
口は悪いが、性根は優しいそいつが、俺の頭を撫でてくる
さっきまで、俺の下であんあん言ってた癖に男前だ
「何が気に入らねーの?」
「…だって、なんか一方通行じゃん
俺だけ、お前と恋人だと思ってたってむなしいじゃん
……俺だけ、お前の事なんか、あれ、みたいじゃん」
「あれ?」
「だから、あれだよ、あれ」
なんか改めてこいつに言うのはむず痒いし、俺から言うのはなんか負けた感じがする
「なに?お前、俺のこと好きなの??」
「!!」
言いおった!こいつ、何の躊躇いも感慨もなく言いやがった!!
「ふは笑
何その顔笑笑
そうか、そうか、お前俺の事好きだったんだ笑
それで、何かとこだわってたのか」
「……お、お前はちげーのかよ」
男のを睨んでやる
心の中は半泣き半グレだ
「え、好きだけど」
「え」
「うん」
「あ、そうなんですか」
「で?あと、何か気になる事は?」
ーー俺はこいつが好きで、こいつも俺の事が好きで、他に相手はいなくて…で、付き合ってない
これってなんなんだろ
難題すぎて俺には分からない
ーーでも、そっか、好きなのか、俺のこと
こんな態度とってるくせに俺のこと好きなんだ
ふーん、そうなんだ
指先をそのしなる背中に沿わせ、薄い唇に唇を重ねる
「……えーっと、明日は何時に起きんの?照」
本来、書こうとおもう作品がある時って違う妄想が弾みますよね
今、馬鹿な子たちが愛しいシーズン突入してしまいました




