● 第8話ー 暗黒騎士の渇望
暗黒騎士としての仕事に向かうアイル
アイルは警備の強化の為漆黒の鎧を身に纏い兵舎へと訪れていた。
そこには軍服姿の銀色の髪に銀色の目、ピンと尖った長い耳に小麦色の肌をした見た目17~18歳位のダークエルフの青年が居た。
彼はユリウス=ルクセンブルク ー アイルの副官である。
この国において軍人の階級は五種、三~四階級に分かれており
兵士は下から
二等兵、一等兵、上等兵、兵長。
下士官は
伍長、軍曹、曹長。
尉官は
准尉、少尉、中尉、大尉。
佐官は
准佐、少佐、中佐、大佐。
将官は
准将、少将、中将、大将。
となっている。
もちろん軍団長の肩書きは大将であり副官は中将である。
ちなみに
一分隊最大で八名で分隊長は兵長。
一小隊最大で三十人で小隊長は曹長。
一中隊最大で六十人で中隊長は大尉。
一大隊最大で三百人で大隊長は大佐。
となっている。
「ユリウス中将。レーナ陛下から警備の強化を仰せつかった。これよりミーティングを行うので大隊長を召集せよ。」
「ハッ!」
ユリウスは即座に念話により召集をかけた。
それから一時間とたたずに二名の大隊長が兵舎へとやってきた。
ユースティア=コーネル大佐
額に白い角を持つ炎髪灼眼をした二十歳の鬼人族の女性で主に町の警備を担当している。
ペイン=マクガーデン大佐
見た目は十九~二十歳の紫色の髪に深紅の目をした悪魔族の男性で主に城の警備を担当している。
彼らが少数精鋭で総勢二百名いるかいないかの第一軍をアイルと共に支える二人の大隊長である。
「急な呼び出しすまない。」
「いえ。ご用件は確か警備の強化との事でしたね。」
ピシリと敬礼をするユースティア。
「ファ~私、休みだったんですがねぇ。休出代出ますよね?」
眠そうに欠伸をしながらペインはアイルを見ていた。
「ペイン…。上司にその態度はどうかと…。」
「ユースティア大佐いつもの事だから構わんよ。ペイン大佐、休出は付けてやるから心配はしなくて良い。ではミーティングを始めるからとりあえず席につけ。」
「へいへい。」
「はい。」
こうして一軍のミーティングが始まる事となった。
結論を言うと今の巡回の人数に城に一分隊、町に一分隊づつ追加される事になった。
ミーティングを終えたユースティアとペインは部下に予定を知らせるために兵舎を痕にした。
「…。あれから千年はたつのか…。」
兵舎に一人残るアイルはポツリと呟いた。
ー 口減らしの為に森に捨てられ死にかけていた所をレーナ様に拾われ魔人となり、執事として使える事となり今では一軍の軍団長でもある。
あの頃の僕にしては途轍もない出世だと言えるだろう。妹のユリアもメイドではあるが第一軍の医療部隊の隊長でもあり僕と同じ大将である。
レーナ様には返しても返しきれないほどの恩がある。だからこそ言えない言葉もある。 ー
ほぼ永遠を生きる魔人にとって千年など一年とさして変わらないとしても長い時間その思いを募らせている。
例えその思いが報われぬとしても ー
「我が忠誠はレーナ様の為に。」
その思いがスキルへと昇華されるほどの渇望となっていたとしても暗黒騎士はただその剣を主へと捧げるだけである…。
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