表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

かまくらの少年

作者: M.uuu

青い髪の少年がすべて塞ぎこんで

一年が経った。


一年中雪が降る街で

固い固い かまくらのなかで

一人ぼっちで 体育座りで

今日も明日も冬ごもり。


そうしていたら、

いつの間にかゴミだらけの世界に

一人落ちて ぽつんと引きこもっていた。


黒いかまくらのなか

あったかくて 寒くなくて

ゴミもないから 快適で

だけど ずっと 何もなくて


空っぽかまくら

体育座り

他のゴミとも

誰とも 会わない。


外には黒い雪のような

灰がたくさん 降ってくる。

何かが焼かれた 黒い焦げ炭

燃えカスちらり かまくらに積もる。


もう誰とも会わないのか。

このままひたすら 体育座り


ぽつりと涙 眼鏡に落ちた。


誰もかまくら 覗かないから

少年はじめて 外を覗いた。


真っ暗な夜空 ばらまかれた星

白い雪のよう キラキラの光


粉雪恋しく 久しぶりになる

懐かしい気持ち 一年ぶりだと

ようやく 気づいた。


ゴミの世界で

ようやく吸う息

汚い空気が

美味しく 感じた。


ぽつりと涙 曇った眼鏡に

落ちて一筋 キラリと光った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ