最後の善い行い
「いやーー!!!」
俺はカッターナイフを持って声の場所に向かった。
だって、せめて最期くらいは、善い行いしたいって思ったんだ。
黒い男が若い女性に銃を突きつけているのが見えた。
俺「なんでここに!?」 思わず言ってしまった…こんな時間に森林に来る人なんて俺みたいな奴しかいないと思っていたからだ。
女性はか細い声で「友達を慰めに…」と言った。
こんなに優しい心の持ち主を死なせるわけにはいかない!死んでいいのは俺みたいなデキソコナイだ!
母親「アンタみたいな出来損ないなんてしねばいいのに。」
先生「お前は脳みそ外す手術でも受けたのか?」
………
俺「なぁ、そいつを殺すぐらいなら、俺に殺されてみなよ?弱いものいじめしかできないドクズが」
案の定、男は挑発にのり、女性を突き飛ばし、俺に襲い掛かった。
カッターナイフ…持って来てて正解だったな…悪あがきしてあの優しい人を逃してあげるか。
銃声が響き渡った。怖いとも感じなかった。それにこいつあれだ、撃つの下手くそだ(困惑)
あと少しでカッターナイフが届く…あと…4…3…
ザクッという音と共に腹部が熱くなる。
嘘…だろ?
男「まったく…包丁使わせるなよ…」
ハハ…痛みは感じなかったけど…死ぬのか…でも…
男「!?」
最後の力を振り絞り、カッターナイフを男の腹部に刺した。
男「ゾンビ…が…」
男が倒れた。でも俺の流血は止まらない。
意識が遠のく…鎧の音が聞こえる…
???「やっと……けた……叶え……」
俺は来世で幸せに生きる…はずだった。