第993話 正体
チーム[ヴァルハラ]の四つの部隊の一つを任されているアキレスは両腕、両足を切断され、四つの一つを任されているラインハルトの部下アレイスターによって、両腕、両足を治す為、とある病院に居た。
「済まない。アレイスター、頼む」
「……嫌、お礼を言うよ」
「お礼?」
「君の知識は、彼に引き継がれる」
「何を言っている?」
「ラインハルトの能力はチーム[ヴァルハラ]内でも、特殊とされているだろう?彼は入れ物さ。私の研究に深く関わるね」
「影を他者から奪うと聞いたが、それが関係しているのか?」
「動けないお前だ。それにこれが最後になるだろう。教えてやる。……等とは言わぬ。何処から、情報が漏れるか分からないからな。命までは奪わない、ただし、不死の力は譲渡して貰うがな」
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アキレスはその後、アレイスターと共にチーム[ヴァルハラ]から姿を消し、チーム[ヴァルハラ]はその後、一度潜入した管理する神を裏切り、ジーク以外の全員はアメリカ軍に所属する事になる。
そして、アメリカ軍の新たな大将となったベルセルクはとある情報を聞いていた。
「その情報は確かなのか?ペルセウス」
「間違い無いよ。ベルセルク、それにあいつらの五十人はジークの降霊術によって、五十個の魂を操作されている。ジークの降霊術が行われていない以上、ブリュンヒルデ達はジークを襲うのは確実だろう」
「分かった。ジークには俺から連絡しよう。ペルセウスお前はここの指揮を取れ」
「ジークの元に行くのか?」
「……五十人が相手だぞ!」
「ジークの実力は知っているだろう?」
「知っている。だが、何があるか分からないだろう?」
「わざわざ大将であるベルセルクが動く必要は無い。部下を向かわせよう」
「……ラインハルトだ。ジークとは親しそうだったからな」
「分かった。連絡しておこう」
ペルセウスは直ぐにラインハルトに連絡を付け、ベルセルクはジークへの連絡を済ませた。それにより、ジークは[レジスタンス]から離れ、決着を付ける為、動き出す。
「……久しぶりだ」
ここはかつて、クラディウス・マークデウルによって、滅ぼされたジークの故郷である。数年振りに戻ったこの故郷でジークは黒魔術:降霊術を扱い、背負っていた黒棺の内部へと入れていく。
「……皆の魂はここに残り続けたか」
「私達の魂もこの体に残し続けて貰わないと困るわ」
ジークの目の前に現れたのは、かつてのチーム[ヴァルハラ]に居たブリュンヒルデ・キースだった。