第989話 チーム[スカウト]
「私は管理する神傘下にして、チーム[スカウト]のリーダーを務めております、サージ・ドルカスでございます」
「……スカウトね。チーム[ヴァルハラ]を誘いに来たって事で良いのか?」
「ええ、だからこそ、ここに私は居る」
「お前みたいな奴が誘いに来るなんて、聞いた事がねぇな。チーム[スカウト]のリーダーは国すら滅ぼす大柄の男だと聞いたが、今のお前からは感じられない」
「その男は私が殺しましたよ。チーム[スカウト]に私はそのリーダーを首を持ち、私の力を示し、売り込みました。その甲斐があってか私はチーム[スカウト]のリーダーになれました」
「……見た目とは違い、強い様だな」
「それはどうでしょう?」
「まあ、良い。管理する神の傘下に加えてくれるのか?」
「ええ、ただ条件がある様です」
「条件?」
「はい。チーム[ヴァルハラ]の副リーダージークフリード・アンサンブルに三つ程、やって貰いたい事があるのです」
「良いだろう。ただ、俺も同席する」
「……まあ、問題無いでしょう。二つはここでやって貰いましょう」
管理する神の傘下に入るその為に出された条件をクリアする為、ベルセルクとサージの元にジークが合流する。
「君がジークフリード・アンサンブルだね?」
「チーム[スカウト]のリーダーと聞いたが、あなたが?」
「そうです。貴方の降霊術が有れば、出来る事がある」
サージは懐から巻物を取り出す。
「これは?」
「管理する神が所有していた魂、五十個です。これを我々が用意した脱け殻に入れて蘇らせて下さい」
「それで、僕って事ですか」
ジークは巻物を開き、巻物に封印されていた魂を黒魔術:降霊術を発動させ、一瞬にして五十個の魂を操作し同じく五十体ある肉体へと入れ込む。
「一瞬でこれ程までの降霊術を管理する神でも儀式を使用しなければ、脱け殻となった肉体に魂を入れる事が出来ないと、言うのに……これは即戦力だ」
「はぁはぁ」
「……魔力の消費量が多かった様だね」
「それで、もう一つと言うのは?」
「そうだったね。もう一つは魂を切断する聖剣だ!」
「名百剣の一種、霊剣ですね」
「あぁ、この魂を切断する聖剣は変異型の神器で名前や形は持ち主によって変わってしまう。その為、名百剣の霊剣から魂剣に変えようかと言う話にもなっている」
「昔は霊と言う文字が入っていたのですか?」
「あぁ、それで、魂を切断する聖剣は適合者は体内に宿しません」
「特殊な神器の様ですね」
「だからこそ、ここで造って下さい」