第974話 鬼へと変化
一夜が天舞音、竜我、ジークの三人を案内する為、歩き始めていたその時、一夜は思い出した様に天舞音に語りかける。
「お前の鏡で移動すれば、良いんだ」
「私は九十九家の場所を知らないけど」
「奈良支部だ」
「……私の鏡の国の支配者は鏡と鏡を行き来できるけど、東京本部と奈良支部なら何回か中継を挟まないと無理よ。都合良く、鏡があれば良いけど」
「……だったら、ジーク転移魔法を使えるだろ?」
一夜のその言葉にジークは即答する。
「無理だ。日本の土地勘など無い。たまたま転移したのが川上道場であっただけだ」
「……地図を見れば分かるか?」
「僕の魔法の進化は黒魔術:降霊術に特化している。転移魔法は得意では無い。……逃げる為にもこれからは善処しよう」
「……徒歩しかねぇか」
九十九家までの道のりを徒歩と定めた四人は動こうとしたその時、鬼の仮面が出現させていた門が至る所から出現していた。
「……父さん。大丈夫かよ」
「一夜、戻るかい?」
「それは俺が父さんを信頼を裏切る行為だ。俺だけはしねぇ、俺がするのは無事にお前達を九十九家へと送り届ける」
「……僕は戻った方が言いと思う」
「何を言っている?言っている事を理解しているのか?竜我」
「あれを見てよ」
「何だ?あれはよ」
至る所から出現した門からは巨体な鬼が出現していた。
その異形な姿を目にした四人はとても五三六一人が押さえきれない事を意味していた。
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至る所から門の出現は鬼の仮面の男の異能が関係していた。
「……何をしている?」
鬼の仮面は門を至る所出現させ、門から様々な鬼を出現させると、鬼の仮面から出現させていた神器、獄卒を束ねし金棒によって、門から出現した鬼を獄卒を束ねし金棒の効果で近くに引き寄せていた。
すると、引き寄せられた鬼達は鬼の仮面の体へと同一化していた。
「……このまま、見ているだけだと思ったか?」
五三六は体に宿っている神器で能力でもある魔帝神剣を出現させると、鬼の仮面に群がる鬼達を切りつける。
魔帝神剣に切られた鬼達は腐敗していったが、十体以上は鬼の仮面の体に取り込まれていた。
「……鬼の仮面を付けていただけなのに……今は立派な鬼そのものだな」
十体以上の鬼を体に取り込んだ鬼の仮面の男の顔は付け物の仮面では無く、鬼そのものとなり、人の体とは別の、鬼の体となっていた。
「……至る所から扉を出現させて何をする?」
「……川上舞の体を貰う……この仮面は彼女の為に造られた」