第960話 野生の勘
呂布と呼ばれるはその違和感を感じた事から
「デュラーク。先に帰れ!強者の匂いが近づいてくる」
「先に帰ったら、呂布はどう帰る?」
「……我を呂布と呼ぶか?」
「あの一族から全てを奪い取ったのだろう。なら、名も奪ってどうだ?君には名乗る名も無いのだろう?」
「我は産まれながらに何も持たぬ。だからこそ、奪い取る。聖天激戟に加え、呂布の名を頂いておこう」
「それで、呂布。誰が来る?」
「強者だ。それだけが、それしか分からぬが……それが分かれば、ここで待つ理由は十分だ!」
「では、ここで一緒に待とう」
「先に行っていろ」
「駄目だ。一人にしたら、この三人を殺すかも知れないだろう」
「……勝手するが良い」
勝手に話を続ける二人に氷は痺れを切らし、攻撃を開始する。
「ふざけるな!」
氷は暴滅氷神竜を発動させ、右手から氷竜を出現させ、それを呂布へと向かわせる。その氷竜は触れたものを切断し、接触箇所同士を氷で覆わせ、接着する特殊な異能である。
呂布に放たれたその氷竜はこのまま行けば、呂布の右肩を切断し、切断箇所を氷で接着させ、固定される。そうすれば、呂布と言えど、ただでは済まない。実際呂布自身も氷が放った氷竜を危険とは感じておらず、避けるつもりは無い。そんな呂布を見かね、デュラークは呂布の目の前に魔法陣を出現させ、防御として、その場に留めておいた。
魔法陣は氷竜に接触すると、真っ二つに接触され、氷竜が通りすぎると、魔法陣の接触箇所同士が氷で繋ぎ止められていた。
「……ほう。面白い!」
呂布は手にしていた聖天激戟を振るう。すると、氷竜に聖天激戟が直撃すると、氷竜は光へと変換すると、聖天激戟に吸収されていく。
「無駄だ!戯け。この聖天激戟は魔法、能力、異能のあらゆるものを光属性へと変換し、強化していく。強力なものでも聖天激戟がある限り、俺には勝てん」
「……呂布。殺す事は認められないよ」
「何度もほざくな。理解している。殺す事はしない」
「……三人も痺れを切らしたみたいだ。何か知りたい事があれば答える事位の事はするが……どうする?」
デュラークのその提案に他の二人を静止して、紫音が前に出る。そんな紫音を見て、デュラークは思い出す。
「君は北海道支部で会ったな」
「はい。あの時も今回の様に神異能力者と言う事で見逃された者です。一つだけ聞きます。管理する神の目的は何ですか?」
「下に居る者には僅かな事しか分かりませんが、神の管理と、神の創造を目的としてますよ」