第954話 スケルターvs羽田海斗
城山は脱獄した二人を探す為、行動開始する。
その城山を見続けた海斗は城山よりも早く、二人を探し出さなければ、二人は確実に城山に殺されてしまう恐れがある事から急いで捜索しようと、後ろを振り返るとそこには先程、チーム[ゼロ]の本拠地に戻ったと思われていた通り抜けの姿があった。
「見られたら、殺すなんて規則やルールは存在していないが、殺す事にした。今はそうゆう気分だ」
「気まぐれで人を殺すのかい?」
「そう言っている。それにお前は高額賞金首だ」
「管理する神は神を含む能力、異能力者は殺さない筈だ」
管理する神は昔から神能力、異能力者は殺さないとして知られる組織である。しかし、一部の例外等も存在するものの、世間一般に神能力、異能力者は殺さない組織と認識される組織である。
「……見るが良い」
通り抜けは一冊の本を海斗に向け投げつける。海斗は地面に落ちた本を手に取り、中身を見て、一瞬で理解した。
「殺しても、構わないリストか」
「そうだ。生かす価値の無い奴をな」
「随分な物言いだな。大人しく、殺される訳には行かないね」
海斗は異能を発動させ、体内に宿っている海神の王剣を出現させる。
「……一瞬で日本を沈められる剣でも、俺には関係の
無い事だ」
通り抜けは自身の透過能力は勿論、目視した物も透過する事が可能な能力である。そんな通り抜け相手では、海斗の海神の王剣による攻撃は無駄に等しい。
「……悪いが、お前はただただ死ぬだけだ」
通り抜けのその言葉と同時に海斗が手にしていた海神の王剣は海斗の手をすり抜け、地面へと落ちていく。
「神器を扱う者はそれを手に出来なければ、無能力者同然だ」
通り抜けのその言葉通り、このまま海斗が地面に落ちた海神の王剣を手に取る事が出来なければ、抵抗も出来ず、敗北することは明らかである。だからこそ、慌てて、海神の王剣を取ろうとするが、海斗の両手は海神の王剣をすり抜け、地面までもすり抜けていた。
「海神の王剣を透過したのではなく、僕の手を透過したのか」
「そうだ。全身を透過すれば、お前は地面をすり抜けて落ちていくだろう」
「何故、最初にそうしなかった?」
「それは見慣れた光景だからだ。誰が相手でも、相手を透過させ、地面のそこに落としても……つまらない。だから、相手の足掻きをこうして、たまに眺める事にしているんだよ。定期的にな」
「随分と余裕何だね」
「わざわざ、答えるまでも無いだろう。もう足掻きは終わりか?終わりなら、殺すが」