第952話 [レジスタンス]の防衛
[レジスタンス]に残る事を決めた面々は[レジスタンス]内を歩き回っていた。残っているのは三人。その三人が水色の髪をした男性の佐倉紫音、氷川氷、佐倉湊斗のであった。この三人はこの[レジスタンス]の本拠地に来たのが初めてと言う事で[レジスタンス]の内部を確認をしながら、歩いていた。
「しかし、何も無いな」
氷のその言葉通り、[レジスタンス]内には何も無い。ここは集合場所であり、会議場所として使われる場所であり、物は極端に少ない。
「……それよりも、敵の存在をどうするのか確認をしませんか?」
そう切り出したのは、湊斗だった。湊斗が告げなくとも、それは紫音を告げようとしていた事である。
「確認って何だ?現れたら、倒すで良いだろう?」
作戦を必要としない物言いの氷に紫音は否定的な意見を告げる。
「それでは駄目だ。敵の数も戦力も未知数だ。しっかりと話しはすべきだ」
「……分かったよ」
氷は諦める様にして、椅子に腰かける。それにしても続いて、紫音、湊斗も椅子へと座り込む。話し合いは湊斗の言葉から始まった。
「……では、現状の確認をしましょう。ここに居るのはこの場に居る三人だけです。病院に向かった川上舞、九十九一夜、武田信玄が病院に到達後、川上玲奈の護衛を務めている佐々木勇治がこちらに戻って来ます。しかし、間に合う保証はありません。敵が侵入した場合はこの三人で対処することがほぼ確定しています。そして、敵の存在ですが、現状の状況はこの座標と重なる場所の別空間に何者かが居ると言う事だけは分かっています。この[レジスタンス]本拠地は特殊な結界があり、一時間は敵の侵入を防げそうなので、約三十分は安全と言えます。ここまでで質問はありますか?」
湊斗のその問いに氷が間髪入れずに告げる。
「別空間に居るって言うのはどうゆう事だ?」
氷のその言葉に紫音が答える。
「転移魔法や空間内に留まれる能力、異能等でこの場所に転移しようとして、この場所にある結界によって、侵入を阻んでいるのが、現状だよ」
「……で、そこまで分かっていて、どうする?」
「……敵の侵入が分かっている以上、先手を取る」
紫音、氷、湊斗の三人は氷系統の能力、異能を使う為、辺りを氷に張り巡らせていた。
そして、結界が破られ、敵が侵入を果たす。
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[レジスタンス]の本拠地に侵入者が現れる三時間前。
能力者育成機関東京本部高等部一年異能クラスの担任羽田海斗の周辺で動きがあった。