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神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第1章 理想の偶像(トップ・アイドル)
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第949話覆い尽くす影

「……影に呑まれれば、全ては無へと帰す」


八重は無影虚無(シャドウ・オーバー)によって、全身から膨大な量の影を産み出していく。影は松元の体内から放出する魔力を呑み込み、魔合混沌槍(カオス・ストライカー)を呑み始める。

しかし、飲み込めたのは魔力のみであり、魔合混沌槍(カオス・ストライカー)は逆に影を吸収して、強化していた。


「……その神器はそうなるわよね。でも、貴方は違う」


八重は松元の体に影を伸ばす。魔合混沌槍(カオス・ストライカー)は影を吸収出来たものの、松元はそれが出来ず、影に呑まれていた。松元の抵抗もむなしく、影へと呑まれた松元の周囲には、魔合混沌槍(カオス・ストライカー)だけが残られた。


「通常の神器なら、私に適合しないかも知れないけど、大量に私の影を吸収しているこの状況では、私を選ぶしか無いでしょ」


八重は地面に落ちている魔合混沌槍(カオス・ストライカー)を手に取る。しかし、魔合混沌槍(カオス・ストライカー)は八重を否定するかの様に、八重の手から弾け飛ぶ。


「そう。否定するの?」


八重は無影虚無(シャドウ・オーバー)を発動させ、魔合混沌槍(カオス・ストライカー)を呑み込んでいく。

松元が居ない事もあって、吸収することも無く、影に呑まれると、八重は影を自身の影へと戻す。


魔合混沌槍(カオス・ストライカー)は手に入れた。もうここに居る理由は無いわね」


ーーーーーーーーーーーーーー


チーム[ハンド]は松元の処理を終え、チーム[ゼロ]が拠点とする。目視も触れる事も出来ないビルへと戻っていた。


「……何か、騒がしいわね」


いつもとは、明らかに違う雰囲気のビル内の様子に玲愛は違和感を覚えながら、チーム[ハンド]が住まう階層に移動していた。


「何だか、男連中は忙しそうにしていましたね」


琴音のその言葉に、八重は魔合混沌槍(カオス・ストライカー)を磨きながら、適当に返答する。


「そうね」

「えらく気に入っているわね」

「そうよ。でも、私が本当に欲しい槍は別にある。名十槍の一種である魔槍、不条理なる魔神槍(アブサード・ランス)だけよ」

「……それで、誰が所持しているの?」

「分かっていたら、今頃、私の手にある」


二人のその会話の最中を遮る様に、楓が割って入る。


「聞きましたか?」

「「何を?」」


楓のその質問に琴音、八重は同時に答えると、楓は話始める。


「チーム[三羽烏]の一人になる筈だった男がチーム[ゼロ]のメンバーを襲っているって話です。二人で手を組んでいるそうで、現在は五十人近く殺しているそうです」

「……でも、ここまででしょ」


そう告げた琴音に八重も同調する。


「でしょうね。そこまでされて、黙っていられる連中では無い。その二人の残酷な死は決定的ね」


琴音の言う通り、チーム[ゼロ]はその二人を殺すべく動き始めていた。

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