第946話 松元vsチーム[ハンド]
「鏡を手にする事も出来た筈だ」
「しても良いけど、その場合は貴方が抵抗するでしょ?」
「ここからは、誰も行かせない」
「……良いでしょう。有栖川天舞音を絶対に仲間にしなければ行けないと、言う指令は出ていないわ。有栖川天舞音は諦めて、指令の出ている元チーム[シード]の残党狩りを行うわ」
「……荒川玲愛。お前は檜山エンマを殺し、そのキーホルダーに収納しているんだったな」
「それは答えるまでも無いわね」
「管理する神、お前らは多くの同僚を殺した。ここには居る人間、最低二人は共に連れていくぞ」
松元は全身から膨大な魔力を放出と共に、無数の魔法陣を展開していく。
「……体内に魔力を保管する魔道具を埋め込まれているって話は本当見たいですね」
「死して、後悔しろ!」
無数の魔法陣を同時に松元が操作しようとしたその時、玲愛の神の義手が発動し、松元が放出している魔力、魔法陣を全て、魔力で造られた手へと変化させる。
「生物以外なら、全て手に限定されますが、変換が可能なのよ。量は関係無い。それで次は?」
松元は体内に宿していた神器である槍を出現させる。
「儀式で体内に入れられた神器。魔合混沌槍ね」
魔合混沌槍は通常の槍の様な見た目であり、あらゆる物を吸収して、強化していく槍である。
「……お前の神の義手は生物以外と言う話だが、神器も手に変換出来ない筈だ」
「それが貴方が私に勝てる理由になると?」
「魔合混沌槍はあらゆる物を吸収し、強化していく」
松元は魔合混沌槍を振り、周囲にある魔力で造られた手を吸収していく。
「……さっさと、覚醒を使え!」
「キーホルダー内に封印している遺体の回収が目的ですか?」
「……」
「チーム[シード]の元メンバー達の遺体はキーホルダー内に保存してありますが、貴方の槍に吸収されるのは避けたいので、今回は控えさせて貰います」
「……それは残念だ。だが、殺せば解ける筈だ」
「出来ればの話ですが」
「……否定は無しか。では、殺らせて貰おう」
松元は槍を携え、玲愛に向け、突き刺す。
しかし、玲愛の体内から出現した光輝く手を出現させ、松元の魔合混沌槍を受け止める。それと同時に神器は消滅させる。
「……神の手……お前の体に宿っているのか?」
「ええ」
「では、神の復活の時には犠牲になるな」
「私の代役なら、もう造り終えているわ」
玲愛は光輝く手を松元に向けて、伸び始める。しかし、松元は過剰に反応して、回避する。
「良い判断力ね。この手に掴まれば、全ての魔法、能力、異能を封じるわ」