第922話 強絶の企み
「待たせたな」
強絶の登場によって、廉と紫音は立ち上がり、強絶の元まで移動する。
「[レジスタンス]の総帥になったそうだな。木山廉」
「はい」
「記憶を取り戻す前に防衛局に誘うつもりだったが、手遅れか。どのみち、お前は断るだろう」
「……すみません」
「構わない。で、本題は何だ?」
強絶のその言葉に紫音が答える。
「本部決定戦の事です」
「[レジスタンス]なら、特訓を任せられる。決定戦前まで、勝手にやって貰って構わない。川上舞の復帰も認める。それで他の用件は?」
「……チーム[ブリザード]の件について」
「彼らの居場所に相応しい場所へ誘導しただけだ。不満か?」
「いえ、どこまで計算をしていたのか気になりましたので」
「全てだ。俺には日本をより良くする義務がある」
「それは貴方の意思ですか?それとも、橘家の意思ですか?」
「……ノーコメントだ。用件が以上なら、俺はもう行くが」
「はい。ありがとうございました」
強絶は不機嫌にその場を後にした。
「紫音。最後の質問はどうゆう意味だ?」
「橘家は名前の襲名が無いけど、代々名前とやるべき事を受け継ぐ家系なんだ。だから、強絶さんって言う名前とやるべき事をやっているのかもしれない。だから、橘家は代々日本のとある大きな事件にも関わっている」
「……名前を代々受け継ぐか。強絶さんの子供が産まれたら、もう名前は決まっているって事か?」
「うん。多分、強絶さんは橘家における強絶の名乗るものとして、やる行動が決まっていると思う。一年毎にやるべき事が決まっており、今までそれを完璧に実行しているって聞いたよ。聞いた話しだけど、今年までに遂行する筈だった。東京本部防衛局の副局長の座にもついているから」
「今年?今は四月だぞ」
「あぁ、橘家は常に日本の為に動いている。[レジスタンス]にチーム[ブリザード]を送る様にしたもの日本の為に何か考えたものだと思う」
「……それって、[レジスタンス]の考えと同じだよな?」
「……そうかもしれないけど、廉はどうするつもり?チーム[雷帝軍]も味方につけたいって話をするのかい?」
「無理だよな」
「多分ね。病院に行こうか?」
「そうだな。ここに居るわけにも行かないからな」
二人は防衛局を後にして、病院を目指す事にした。
チーム[ブリザード]が居る病院に着いた廉と紫音はこの病院には川上玲奈も居る事で、次の目的も直ぐに達成出来る。なんなら、先に玲奈の病室に行くことも可能な状況だ。