第920話 終焉
アレックスの存在が消えた事により、封印されていたジークは自由の身となり、[レジスタンス]の戦闘はここで終わりを向かえた。
「マーク・レベレスタ」
「木山廉……事実を知ってどうだ?」
「事実って?」
「お前らの弱さを中継で流し、アメリカ軍の力を見せると言う計画についてだ」
「どうも思わない。俺達は負けたとは思わないからな」
「そうだな。お陰で……計画通りにはならなかったな」
「……そうでも無いと思いますよ。貴方の姿は強くて、頼もしいアメリカが誇る男の姿でした」
「そう見えたか?」
「はい。スミスさんと同じく」
「……神器との対話を済ませたか……いずれ、木山家、檜山家の存続は約束しよう」
「いずれって?」
「いずれはいずれだ」
「……チーム[ドミネーション]を倒せたら、約束してくれますか?」
「出来ない約束をするのか?」
「出来る約束しかしません。契約書も書きましたし」
「……期待しておくぞ。早く記憶を取り戻すんだな」
「はい!」
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四月十二日
ジークの転移魔法によって、[レジスタンス]のメンバー達はアメリカから日本に戻っていた。
「……廉の兄貴、[レジスタンス]の活動は明日からで良いですか?」
雲雷のその提案を廉は受け入れ、[レジスタンス]の皆は解散するになる。
しかし、チーム[アブノーマル]の三人はその場に留まっていた。
「廉と舞はどうするの?」
「特に決めてなかったけど、玲奈さんの病室に行こうかな。紫音は?」
「僕は氷と湊斗さん、柚子さんと合流するよ」
「何かあったのか?」
「詳しくは分からないけど、これから会ってくるよ。橘強絶と口論になって、元東京本部防衛局から追い出されたみたい」
「……俺も行く」
「良いのかい?」
「あぁ、勿論だ。舞はどうする?」
廉にそう尋ねられた舞は笑顔で答える。
「私はお母さんの所に行くね」
「分かった。行こうぜ紫音」
廉と紫音は舞と別れ、ファミリーレストランダストへ向かっていた。
先に着いた廉と紫音は席に着き、待っている事にした。
「お待たせしました」
廉と紫音が座るテーブルに湊斗が訪れる。
「氷と柚子さんはどうしました?」
「病院に行かれました。私は用件を伝える様に言われ、ここに来ました」
「そうですか。座って下さい」
「いえ、私は用件を伝えたら、直ぐに行くので」
「そうですか」
「……橘強絶との話し合いは橘強絶のペースで進んでいきました。まるで誘導される様に、防衛局を辞める事になりました」