第915話 無限なる爆斧の炎神罰(レヴァンティン・ブースト)
スミスは全身から黒いオーラを放出する。
「木山廉。状況は目まぐるしく変化する。お前が爆炎斧の神罰の特性に慣れた頃か?だが、もう対応は出来んぞ」
爆炎斧の神罰は炎に包まれ、黒いオーラへと変化し、スミスの全身から炎で形造られた鎖の先に斧がした状態で無数に出現する。
「お前と俺の実力を分かりやすく、具現化した姿だ。これぞ無限なる爆斧の炎神罰だ!」
「斧の大きさが小さくなったが、数は二十以上あるな」
「数に限りは無い。増やす事も可能だ」
「冗談だろ」
「……残念だが、本当だ。だが、今のお前相手に増やす事は無い」
スミスは両拳から伸びる炎で形造られた鎖の先にある斧を廉を目掛け、殴り付ける。鎖は伸び、廉の元に届くと、廉は黒炎神の魔剣で防御する。すると、黒炎神の魔剣はスミスの炎で形造られた斧を吸収し始める。
「物体ではない無限なる爆斧の炎神罰は吸収可能か。物質を吸収する黒炎神の魔剣相手にはこの覚醒は選択ミスだったかな。だが、これでも十分やれそうだ」
スミスの右拳から伸びる炎で形造られた斧の吸収が完了する前に、その炎の斧は爆発を起こす。廉は後方に飛び、直撃を避けたが、爆風によって、吹き飛ばされる。
「上手く逃れたか。だが、一度では終わらせんぞ」
スミスは全身から炎で形造られた鎖を無数に廉に向けて、放つ。一つですら、対処の出来なかった廉は防ぐ事も吸収も出来ないと悟り、逃走する。
「……良い選択だ。それで、逃げて終わりか?」
スミスは全身から伸びる炎で形造られた鎖の先にある斧を五個地面へと叩きつける。
「……地面に……来る!」
廉は直ぐ様、足元から立ち上る火柱を避け、逃走を続ける。
「……対応が出来る様になったか。しかし、逃がすつもりは無い」
スミスは廉を追いかけ、走り出す。
逃走を続けていた廉だったが、地中から出てきた炎で形造られた斧は廉の腹に直撃する。その直後、その斧は爆発を起こす。
「……ここまでの様だな。腹がだいぶえぐい事になっているが、問題は無い。精神世界で助かったな。遠慮はしないと決めている。ここで決めるぞ」
スミスは全身から伸びる炎で形造られた鎖を無数に廉に向けて、放つ。
鎖の先に繋がれた斧は廉に触れると爆発を繰り返した。遠慮はしないと言ったスミスはその言葉通り、百回以上も攻撃を繰り返していた。
「……木山廉。お前の精神が戻るまで待とう」
暫くして、廉は目を覚ます。廉は慌てて、体を確認する。
「そう心配するな。精神世界でのお前は不死身だ精神力が続けばだがな」