第913話 スミスの試練
「川上の少女の異能も特殊な物なのだろう。名百剣の花剣だと思たが、違うらしい。花剣とは明らかに違う部分があるからな。他に聞きたい事はあるか?戦闘中にそんな暇はないと思うからな」
「もう大丈夫です!」
「そうか。では、始めよう」
スミスは手にしていた爆炎斧の神罰を地面へと叩きつける。すると、廉の足元か、火柱が立ち上る。
「アブねぇ」
廉は火柱が直撃する前に避けており、ダメージは一切無かった。
「避けたか。木山、お前もレヴァンティンを持て!」
廉は素手で倒せる様な相手ではないと悟り、炎神の魔武器を発動させる。
「炎神の魔剣か。降炎魔神剣で無いのが残念だ」
「これもレヴァンティンですよ」
「……本気で言っているのか?だとしたら……ふざけるな!今お前が使う炎神の魔剣は本来の半分の力も出していない。上を見てみろ」
スミスに言われるがまま、廉は上を見上げる。
そこにはスミスが先程、攻撃した炎柱が上空で留まっていた。
「俺の爆炎斧の神罰は地面から火柱を出現させ、攻撃する方法と、火柱の攻撃後、火柱で使用した炎が上空に留まる事となる。上空にただ残る訳もない。上空にある炎はいつでもお前を目掛け、攻撃する事が出来る。意味が分かるな?」
スミスは再び爆炎斧の神罰を強く地面へと叩きつける。すると、廉の足元は勿論だが、廉には当たらないであろう場所からも火柱が立ち上る。
「……俺への攻撃よりも、上空で待機させる炎を優先させたんですね?」
「そうだ。見せてみろ、木山!」
スミスは一瞬で廉の元へと移動すると、爆炎斧の神罰を振るう。避けられる距離では無かった為、廉は炎神の魔剣で防御する。
「良く防いだな。誉めてやる。だが、防いで終わりとは……俺は攻撃したら、それだけでは終わらせねぇよ」
爆炎斧の神罰は光輝き、次の瞬間、爆発する。直撃した廉は吹き飛ばされる。スミスは地べたに這いつくばる廉を立つまで待つ事なく、爆炎斧の神罰を廉の左肩目掛け、振り下ろす。
「あああぁぁ。はぁはぁ」
スミスの爆炎斧の神罰を避ける事が出来なかった廉の左肩は切断され、爆炎斧の神罰はそのまま、地面に叩きつけられる。
「痛みに悶えている所悪いが、俺の爆炎斧の神罰が地面に叩きつけられる……これが何を意味しているか、分かるな?」
廉の足元は光輝き、火柱が立ち上ぼると、廉は避けられず、火柱に直撃する。仰向けに倒れる廉は上空に炎の塊が留まっている事を把握する。
(……隙が無い。このままじゃあ、殺られる)