第901話 封じられた力
魔法の鎖の後に造られたのが拘束の足枷と言われる。
足枷タイプの物であり、足枷を取り付ける事によって効果を発動する。
手や首等につけても、効果は発動するが、主に足枷に取り付ける為、拘束の足枷となった。
拘束の足枷の次に造られたのが、封魔の岩石である。
その札や呪術等によって造られた岩石の下に対象物を置く事によって。下に敷かれた物を封じる魔道具である。
人間にも有効的であるが、最もつかわれるのは、神器等の封印である。
体内に宿った神器の適合者が死ぬ際に残した武器を次の適合者に渡るのを阻止するために造られた魔道具とも言える。
封魔の岩石の次は鋼鉄の杭である。
鋼鉄の杭は体に突き刺す事によって効果が発動する物である。
アレックスの左足を貫通したとは言え、戒めの弾丸の効果によって、能力は暫くとは言え、封じる事に成功したジェネシスは拳銃を未だに、アレックスの下半身へと向けていた。
「悪いが、手は止めんぞ!」
ジェネシスは装填しておいた残りの弾丸をアレックスの下半身へと撃ちつけた。五発全弾アレックスの下半身に命中しており、二発はアレックスの体内に留まっていた。
「どれ程、最強とほざこうとも能力を無効にしてしまえば、お前もただの人だ」
ジェネシスは何も無いその空間を開き、その空間から鋼鉄の杭を二本取り出す。
ジェネシスはアレックスの両足の間接を狙い、それを突き刺す。
「お前の能力不明ももう発動は出来ないぞ」
「……あのジェネシスがこんな能力封じみたいなやり方で満足か?」
「……お前は圧倒的な攻撃力と防御力を誇る。だが、それだけだ」
「何が言いたい?」
「黒髪だったお前が金髪に染め、あいつと同じ人生をなぞろうとしている。これもあいつがした事だったか?」
「あっ?」
「マーク・レベレスタだ。あいつはアメリカの為にしか動かない奴だ。お前がアメリカ軍を裏切る前はマークと全く同じ事をしようとしていただろう。だが、マークに馬鹿にされ、マークに挑んで、マークに敗北して、それでアメリカを裏切ったのか?管理する神に付けばアメリカに、マークに勝てると思ったか?無理だな。俺にすら勝てないお前ではな」
「ほざくなよ」
「こちらの台詞だ。俺の異能はあらゆる可能性も開ける事が出来る。言ってしまえば、俺は未来の扉も過去の扉を開く事も出来る。もうこの光景は覗いてきた」
「はっ?」
「理解出来ないか?」
「未来を見た?だったら、俺がその未来を越える」
「決まった流れを変える。別の選択肢を選ぶか?……そんな簡単には変えられんぞパラレルワールドと言う奴は」