第900話 六封魔道具(タブー・シックス)
魔法、能力、異能を封じる魔道具の中で、最も効力発揮するのは六封魔道具と呼ばれる六個の魔道具である。
戒めの弾丸、戒めの剣、魔法の鎖、拘束の足枷、封魔の岩石、鋼鉄の杭はその六個に該当し、その効力は造られてから五年~七年の間とされ、世界中地下施設に囚われた囚人に取り付けられた六封魔道具は四年に一度取り替えられている。
戒めの弾丸は最初に造られた封じる為だけに存在する魔道具として、三世紀前に造られた魔道具である。
拳銃と言う比較的扱い安いその武器は誰でも向けられれば、その弾丸が戒めの弾丸なのではないかと相手に思わせる事が出来、当てる事が出来れば、貫通しても一分~五分の間、魔法、能力、異能を封じるとされ、体内にその弾丸が留まっていれば、その間その箇所は魔法、能力、異能は無効化される事になる。
戒めの弾丸の存在が明るみになってから、拳銃を所持する者は増え、魔法、能力、異能を扱える者はそれに怯える生活が暫くの間続くことになる。無能力者達が戒めの弾丸の大量を所持をし、魔法、能力、異能を扱う者へと挑む抗争が行われるが、その抗争は一週間の短さで終結する事となる。厳密に言えば、一日で終わったのだ。戒めの弾丸を扱う無能力者を相手にしても魔法、能力、異能を扱う者の方が圧倒的な力を有していた。
そんなに戒めの弾丸に続いて、造られたのが戒めの剣だった。
戒めの剣は戒めの弾丸の技術をそのまま、利用した物であり、戒めの弾丸が造られた五年後に造られた物である。
近接戦闘の為に造られた戒めの剣は無能力者は勿論、魔法、能力、異能を扱う者も重宝する者となった。
戒めの剣は魔法、能力、異能に剣を当てれば、戒めの剣が破壊されなければ無効化する事が出来、相手に切りつける刺す等すれば、その相手は暫く魔法、能力、異能の発動を封じる事が出来る。
戒めの剣の後の一世紀、現在から二世紀前に造られ、現在まで魔法、能力、異能を封じるならまずこれと言われる強力な魔道具。魔法の鎖である。
魔法の鎖は魔法で造られた鎖であり、光輝くただの鎖にしか見えないが、魔法の鎖がその効力を発揮するのは、その鎖で対象の物を縛った時だけと言われる。
魔法の鎖を縛る事に成功すれば、それだけで縛ったものの魔法、能力、異能は完全に無効化する事が出来る。
その効力は凄まじく、この後に造られた三つでも越える事は出来ないとされ、魔法の鎖を越える物は後にも先にも造られないとされる。