第897話 宇宙開発局
アメリカ軍の宇宙開発は他国よりもその情報を独占状態であり、他国が必死に見つけた宇宙の情報も既にアメリカ軍が知っていた情報であったと言う事は多々あり、現在もアメリカ軍が知り得た宇宙の情報の殆んどはアメリカ軍の独占が続いている。
アメリカ軍の宇宙開発がここまで進んだのはここ五年の間であり、その後ろ楯にはアメリカ軍大将の一人、ジェネシス・ワーデルの存在があった。
ジェネシスの異能あらゆる扉の解放者は何も無い空間に扉を開き、別次元との空間を繋げる事が出来る異能であり、アメリカ軍の宇宙開発局の一部はジェネシスが宇宙空間と繋げた部屋が幾つもあり、それを狙う者に侵入を許すものの、一度侵入した者は外へ逃がす事は無いと言われる。
「ジェネシス。そろそろ、太陽系の研究を再開しようと言う話になってね」
宇宙開発局の護衛に戻っていたジェネシスに嬉しそうに笑いながら、無精髭な男性が身分や立場等気にする事もなく、話しかける。
「……構いませんが、耐久性のあの部屋の確保は出来ているのですか?」
「幾つか候補があるんだ。出来れば、この研究所でやりたいのだが」
「……失敗すれば、今所有している空間は失われますよ」
「……そうだな。でも、また開けるんだろ?」
「あぁ、おかげでパラレルワールドの研究所にも顔を出す事になりそうだ」
「……前の多次元何とかは終わったのか?」
「一年前にな。それがどうなったかは知らないがな」
その直後、研究所内にサイレンが鳴り響く。
「侵入者か。対処しよ」
「助かるよ。ジェネシス」
ジェネシスは何も無いその空間に扉を出現させ、その扉を開ける。
「行ってくるよ」
ジェネシスはその扉の中へと入り、空間を越え、侵入者の元まで一瞬で移動を終える。
「来たか」
侵入者は突然出現した扉が現れたにも関わらず、驚きもせずにむしろ待ち望んでいた。
扉から出たジェネシスは侵入者を見て、ため息を溢す。
「裏切り者がここに来て何が目的だ?アレックス」
金髪でどこかマークに似た男を見て、ジェネシスが呆れていると
「管理する神もお前が持っている情報が欲しいらしい」
「……その情報なら、アメリカ軍の本部の上層部が管理しているが」
「わざわざ教えてくれるのか?」
「構わない。ここでお前は捕らわれる」
「……俺はこの世における。最強無敵な存在だとまだ理解していないのか?」
「……能力不明のお前が勝手に言っているだけだろ?」
「そうだ。最強無敵と俺は呼んでいるが、これがあれば俺は誰にも負けない。最強の存在なんだよ。分かるか?」