第896話 破壊者
紫音とマークの会話を聞いた廉は疑問をマークにぶつける。
「……犯罪や人を困らせる様な物では無いんだな?」
「あぁ、チーム[ドミネーション]を滅ぼしたい。リーダーのもう何度も小淵沢伊織を殺しているんだが、奴は年齢や性別が変換して、何食わぬ顔で存在を続けている。俺としては、どうでも良いんだが、レベレスタ家がうるさくてな。お前としても父親の異能を奪った奴を許せんだろ。チーム[ドミネーション]は封魔によって記憶を封じられている。記憶が戻れば、管理する神の傘下として動き出す。特に日本を支配すると言う目的を持つ。レジスタンスとして、活動するなら、チーム[ドミネーション]は倒す事は日本の平和に繋がるぞ」
「どうゆう意味だ?」
「その内、分かる」
「……契約書にサインしなくても、レジスタンスとして活動する上で倒さなければいけないなら、俺はやるぞ」
「お前なら、そう言うだろ。でも、契約書にはサインしてもらう」
「……分かった。チーム[ドミネーション]が倒す必要があると言うなら、俺は倒すよ」
「では、書いて貰おう」
「……それで、この魔法陣みたいなものを対処してくれるんだな?」
「あぁ、アメリカ軍本部にも入れてやる」
「嫌、秋人を直ぐに追うなら、前にある魔法陣みたいなものを対処してもらいたい」
「良いだろう。契約書にサインをしたらな」
廉はマークから受け取った契約書を手に取り、契約書の内容を確認して、サインをする。
「これで良いんだろ?」
「確かに。では、あれを破壊してやろ」
「待ってくれ。あの魔法陣みたいなものは触れた者をー」
「関係の無い事だ。触れる事は無い。触れずに破壊する」
マークは右足を少しだけ上げ、再び地面に右足を接触させたその瞬間、凄まじい衝撃波は黒炎に燃える魔法陣の様なものを破壊する。
「……契約書は俺が管理させて貰う。異論は無いな?」
「あぁ、助かった」
「……」
「どうした?」
「記憶を取り戻しても尚、同じ言葉をほざけるか?」
「……多分、言えると思うけど……だって、助かったから」
「そうか。チーム[ドミネーション]の前にラグナロクが先だがな」
「……とにかく、助かった」
廉のその言葉を聞いて、マークはアメリカ軍本部へと戻っていった。
「今からでも秋人を追いかけよう」
廉のその言葉にその場に居る全員は秋人を救うため、動き始める。




