第887話 レジスタンスメンバー
「……元気ですか?」
「……生意気な位な」
兄の安否を知り、胸を撫で下ろす舞を見て、廉は疑問を抱いていた。
「……兄貴が居たのか?」
「うん。お父さんが生きている時は一緒に暮らしていたんだけど、お父さんご亡くなってからは、九十九家に引き取られたの。有栖川天舞音によって、記憶が破壊されていたんだけど、アメリカに来る前に全てを戻してくれたの」
「……確か、有栖川天舞音もレジスタンスのメンバー何だよな?」
「そうみたい。詳しい事は分からないけど」
「……武田さん。レジスタンスのメンバーって他にはどんな人が居るんですか?」
廉のその問いに武田は口に出すか悩んでいた。
レジスタンスメンバー達は廉を総帥に見据えて今まで活動していたが、いざ廉が総帥になり、それを簡単に了承する者は少ないと言える。快く受け入れるのは、このアメリカにいるレジスタンスメンバー達に加え、山梨支部に居る檜山エンマ位であるからである。
「実際にあって確かめた方が良いな」
「……事前に知っておきたくて」
適当な逃れようとした武田だったが、逃げ切れないと判断した武田は諦めた様に告げる。
「……ここに居ないものだと、山梨支部にいる檜山エンマ。そして有栖川天舞音、九十九一夜、流島四郎、長谷川空、阿倍晴明それぐらいが木山お前を受け入れそうな人物だ。他の六人は今は教えるべきではないと俺は思っている」
「その六人はどんな人何ですか?」
「……レジスタンスの理念には賛同してくれているが……過激な奴等だ。多分、木山お前の総帥着任に反発する可能性すらある」
「構いませんよ。皆に認められてこそ、総帥を名乗れると俺は思います。だからこそ、その六人にも認めて貰います」
廉のその言葉を受け、武田は涙を流しながら、廉に抱きつく。
「良く、良く言い切った。それでこそ、俺が守る価値のある男だ!」
武田が廉に抱きついているその頃、廉達よりも前方に居るレジスタンスメンバーの元にチーム[ダイヤ]が接近していた。
「……廉、そんな事している暇は無いよ」
前方の異変を感じ取った紫音は武田に抱きつかれている廉に告げる。
「俺だって、それは分かっている。武田さん。退いて下さい」
「あぁ、済まない」
武田が退いた事によって、廉は紫音と舞の元に合流する。
「……四人で全てを引き留めるつもりか?」
五十人も居るチーム[ダイヤ]をたった四人で食い止めているその光景を見ていたチーム[アブノーマル]の三人はこのままで良いのか、それが頭を過っていた。