第885話 作戦会議
アメリカ軍本部付近に集まった廉、舞、紫音、ジーク、秋人、武田、雲雷、庄司はチーム[ダイヤ]の対策について話を始めていた。
「……彼らは加えないのか?」
ジークは離れた場所で柚子を抱き抱えた氷の事をこの作戦に加えるのか、最初に確認を取る。
「……加えない。守りに徹して貰う」
廉は即座に氷を作戦に加えない事を告げる。
「……では、ここに居るメンバーですると言う事で進めましょう。チーム[ダイヤ]についてはここに居る誰よりも知っている俺がチーム[ダイヤ]について説明します。リーダーは俺が務めていましたが、それはエリザベス女王の計らいによるものです。実際のリーダーと言えるのは副リーダーのノア・ストライク。そして、最も警戒しなければならない女性です。竜属性の亜種の異能で黒炎烙印竜は異能名しか分かってません」
秋人のその話を際切る様にジークが尋ねる。
「何故だ。同じチーム所属していたのだろ?」
ジークの疑問は当然なものだ。一年間も同じチームに所属しながらも、知り得た情報は異能の名前だけであり、異能の詳細な情報は何も無いのは不自然なものだ。任務をする際、異能を使用せず、任務達成が出来るとも思えない。
「使わなかったんだよ。俺をずっと敵対心していてな。任務中は体術や、魔道具を使用して、戦闘していたからな」
「なるほど、で、魔道具を使用した戦闘力はどうだ?」
「見た感じでは、俺よりも出来るな」
「参考にしよう。で、他に注意するに値する相手は居るのか?」
「特に注意するノア一人だ。ノアが異常な強さを持つがチーム[ダイヤ]のメンバーは皆強い」
「……このまま固まるのか?」
「……二手に分けたい」
「で、どの様に分ける?」
「チーム[アブノーマル]の三人と武田さん。そして残ったもので……異論はあるか?」
「チーム[アブノーマル]はまだ経験不足だ。四人ずつに分けたいのなら、チーム[アブノーマル]も分けるべきだ」
「……二手に分けるが、連携が取れなくなる訳ではない。ここでリーダー達にも経験を積んで貰う!」
「……了解した」
秋人提案によって、分けられたチーム[アブノーマル]と武田はアメリカ軍本部の付近に留まり、残りのメンバーは前方で待機していた。
チーム[ダイヤ]の強者は秋人、ジーク、雲雷、庄司で止め、後方にいるチーム[アブノーマル]でも倒せそうな相手は後方に任せる様な配置になっている。
「……チーム[ダイヤ]は何人来る?」
ジークのその疑問に秋人は考えながら答える。
「イギリスに居た時は、チーム[ダイヤ]全員だった筈、そのままなら、五十人弱の筈だ」