第881話 エドワードの逃走
汚染物質によって、エドワードの肉体は消え去り、そこには何も残らなかった。しかし、管理する神No.9チーム[バベル]のリーダーを務める男がこんなにあっさり、終わるとは思えないジェームズは骨組みの龍の姿から人形へと戻ると、エドワードが居た場所に向かった。
「……別の場所に向かうか」
何も残って居ないこの場所に留まる理由も無い為、再び骨組みの龍の姿となり、背中から翼を生やし、アメリカ軍の本部にいるジェームズ本体に情報を与える為、その骨組みの龍はアメリカ軍の本部を目指し、飛び立つ。
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ジェームズによって、肉体も骨も残らない状態で殺られたエドワードは現在、最強の魔帝竜の異能によって、竜の首を別の人物の体に入れ込んだ事によって、生存を続けていた。
アメリカのとある建物に潜ませていたチーム[ダイヤ]のメンバーの首元から竜の顔を貫かせ、三つの首を出現させると、その者の命と引き換えに最強の魔帝竜の姿として復活を遂げた。
エドワードは竜のその姿から人形へと戻ると、不機嫌そうに立ち尽くしていた。
「……ジェームズ、不意打ちとはやってくれる。やり返しても良いが、チーム[バベル]の仕事は終えている。ここは撤退だ」
自身の怒りを抑える様に、自分に言い聞かせる様に告げる。冷静さを取り戻したエドワードは再び最強の魔帝竜の姿となる。どす黒い体に頭が三つのその竜は三つの首を動かし、その場に居た三人を三つの頭で一人ずつ、食らった。
(……ジェームズは勿論、他の大将も居るからなぁ。念には念を入れておくか)
三人を食らった事によって、エドワードの自身の命と三つ分の命を得た事によって、自身の生存確率を上げ、逃走を始める。
それと共に、待機させていたチーム[ダイヤ]を全員動かす。チーム[ダイヤ]全員にはエドワードの異能である最強の魔帝竜の頭を入り込ませた事によって、操作権を得ており、エドワードの思うように操作が出来る状態である。
エドワードは自身の逃走確率を上げる為だけにチーム[ダイヤ]を囮に使う事を決めた。
「……アメリカ軍、暴れるチーム[ダイヤ]を置き去りにして、俺を追うことは無い」
エドワードのその言葉通り、これ以上エドワードを追うことは誰も出来ず、チーム[ダイヤ]、アメリカ軍の一部の人間の対処をする事となる。
「……ジェームズ、お前の骨が近くまで来ているらしい」
「分かった。回収してくる」
本部から出たジェームズは骨を自らの肉体に入れ込み、その骨の情報を得る。




