第880話 エドワード・クロス
「リーダーを探しながら、チーム[ダイヤ]に接触する」
「チーム[ダイヤ]はアメリカ軍の増援として送られたんですよね」
「そうだ。俺の事も認識出来ていなかったからな。誰かに操られている可能性がある」
「何処から探します?」
「アメリカ軍本部に向かおう。チーム[ダイヤ]は元々そこを向かっていた筈だ」
「分かりました。向かいましょう」
[レジスタンス]の四人はアメリカ軍本部の目指し、動き始めていた。
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「久しぶりの外はどうだ?アーク」
チーム[バベル]のリーダーエドワード・クロスはコキュートスに囚われていた副リーダーであるアーク・アンダーソンは不機嫌そうに立ち尽くしていた。
「……シェルターに戻らせろ」
「アーク、もう十分だ。新たにアメリカ軍の大将の一人となったベルセルクの部下であるヘラクレス・リックマンを殺せた事で誰の目から見ても十分な働きをした事は明白だ」
「それがどうした?俺はベルセルク・フルベルクと戦いたい」
「チーム[バベル]はもう撤退する」
「なんだと」
「アメリカ軍の一部の人間と、チーム[ダイヤ]を操作出来てる」
「最強の魔帝竜の首を入れ込んだか。どうせ、首は再生出来ているんだろ?」
「あぁ、問題なく」
「……ここでお前を殺しても、首を入れ込まれた奴からの蘇生が出来る状態で殺しても無駄か」
「殺す気も無いのに、言う事では無いよ。後は一部のアメリカ軍の人間と、チーム[ダイヤ]に加え、アレックスに任せるよ」
「何だ。この煙は」
アークがそれに気づいた時には、周りにその煙が充満していた。
「アーク。これはジェームズの異能によるものだ。回避しろ」
エドワードのその言葉は遅すぎた。
その汚染物質はアークの体を溶かし始めた。しかし、スライムだった事もあって、無意味に終わった。
「本体が来てなくて、助かったな」
「お前は助からない!」
エドワードは背後を振り向こうとしたその瞬間、エドワードの背中は骨によって、貫かれる。その瞬間、エドワードの全身の骨はエドワードを貫いた骨に吸収される。
ジェームズはエドワードを貫いた骨を抜き、自身の体に戻す。
(動けねぇ。一瞬で全身の骨を奪いやがった。それに加え、この煙は人間の肉体を溶かしやがる。早く逃げねぇと)
エドワードは逃げようと体を動かそうと試みるが、全身の骨が無い事に加え、肉体がジェームズの放っていた汚染物質によって、溶かされ始めていた。そんなエドワードは動く事が出来ずに居た。