第870話 国立図書館
管理する神No.9チーム[バベル]とアメリカ軍元大将の一人アレックスによる攻撃は続いており、アメリカの国立図書館にも攻撃を受けていた。そんな国立図書館の護衛にはアメリカ軍大将の一人ジェームズが担当していた。
ジェームズはアメリカ軍の大将の何世紀に渡って務めてきた男である。
骸骨腐敗龍は肉体を失っても、骨が少しだけでも残っているなら、再生出来る異能であり、これまでの長寿もこの異能が関係している。このジェームズの異能は竜属性ではあるが、厳密では違うと言われており、研究機関が出した答えは竜属性の亜種と断言されている異能である。
「……なぁ、中は守らなくて、良いのか?」
「中はジェームズが守っている」
「……なら、安心だ。それで、敵は来ると思うか?」
「狙いは分からんが、護衛はしないとな。一般開放している書物なら構わんが、奥には禁書目録やエイボンの書、グリモワール等数え出したらきりの無い本、一万冊もあるんだぞ」
「……アメリカがそんなに独占出来ているとはな」
「どうだろうな。中には写本もあるって話だ」
国立図書館の入り口を警護していた二人組の会話を聞いていた男は大胆にも宙に浮かびながら、これからどうするか考えていた。
このまま、国立図書館の入り口を敬語する二人を殺し、中に侵入出来ても、アメリカ軍の大将と戦う事は男が一番避けたい事であった。
「……取りあえず、二人だけ殺すか」
男は地上に落ち、着地を決めると、入り口に居た男の所まで、瞬時に移動すると、男は入り口に居た男の心臓を素手で貫いて見せた。
「……凄いね。先輩を簡単に殺すなんて」
「余裕だな。次はお前だが」
「……最初に伝えておくよ。俺の能力は感覚拡張。今まで俺が体験した感覚は対象の相手に与える能力何だよ。」
「……」
「説明するよりも、体験してもらおう」
男が目を見開き、その男と目を合わせると、その男は苦しみ出す。
「アメリカ軍にはこの能力の為、死ぬ寸前までいたぶられたんだよ。君にも俺の味あった痛みを感じて欲しい。そして、理解してくれ、俺の痛みを」
苦しみ悶える男に届く筈も無いその言葉を告げ、満足していた。
「……どうした?もう泣き叫ぶ気力が無くなったかい?それとも、痛みに慣れた?……駄目だ。俺の痛みはこんな物ではない。もっとだ。アメリカ軍がこの能力を有効にする為だけに一日中拷問を受けたんだ。今は何とも無いが、あの時は痛かった。指は全て切断され、腹を切られ、中にを鷲掴みにされた痛みはさっきの痛みとは違う。感じてくれ、俺の痛みを」




