第869話 ジークの合流
舞に続いて、紫音、氷も頭を下げる。
「……行け」
ヘラクレスはその言葉を受け、舞、紫音、氷はシェルターへ向かい歩き出す。
「思い出すなぁ。あいつらはどんな未来に進むのか……俺達は間違い続けたからなぁ」
ヘラクレスは上空から落ちてくる巨大なスライムを吸収して、ヘラクレスはその生涯を全うした。
「……スライムをこれだけ吸収した。ヘラクレスの白魔術:仙術か」
シェルターに居たベルセルクはスライムが吸収されている事から、ヘラクレスがどの様に対処しているのか、把握していた。
そんな中、ジークは気がつく。
「……ベルセルク。ヘラクレスの魂が体から抜けていった」
「……あいつの魂はお前が回収しておけ」
「あぁ」
「……戻って来たぞ」
ベルセルクは舞の姿を見て、ジークへそれを伝える。
「……剣が破損したからな」
黒魔術:降霊術によって、剣の中に入れていた魂が消失したとこを知っていたからこそ、驚きはしなかった。
「……佐倉紫音」
「ジークフリード・アンサンブル……信用して良いのですか?」
「……それは君が決める事だ。その答えに君は疑わずに信用するのか?」
「そうですね。貴方の言う通り、これから決めていきます」
「……再び、木山廉の元までたどり着ける様に降霊術を使おう」
ベルセルクはジークの背を強く押す。
「もうここは良い。行け!」
「ベルセルク」
「……チーム[ヴァルハラ]のジークフリード・アンサンブルはもうここには居ねぇ。お前は[レジスタンス]のジークフリード・アンサンブルだろ?」
「済まない。最後までわがままを言って」
「最初で最後の頼みだ。何でも聞くさ、まぁこれで最後だがな」
「……あぁ、世話になった」
ジークはチーム[ヴァルハラ]から離れ、舞、紫音の元へ向かう。
ジークは少し離れた場所に柚子を抱き抱えた氷を見て、スライムとの戦闘があった事を認識すると、共に他の三人が無傷な様子と、ジークの黒魔術:降霊術によって、魂を持つ者の居場所を把握した事もあって、舞、紫音、氷の三人が無傷な理由がヘラクレスにあると改めて、把握すると、ジークは笑みを溢す。
「ヘラクレスとあった様だね」
「分かるの?」
「……ヘラクレスは何か言っていたかい?」
「色々と」
舞のその言葉、その表情を見て、ジークはそれ異常の事は何も聞かなかった。ヘラクレスがこの四人と出会えば、きっと、昔の話をする事はジークやチーム[ヴァルハラ]のメンバーなら、誰でも容易に分かる事だった。
ジークは降霊術を使い、ベルセルクとの約束であるヘラクレスの魂を回収する。
 




