表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第2章天帝空剣(スカイ・エンペラー)
866/1033

第866話 神器の崩壊

紫音のその言葉によって、(ひょう)は柚子が手にしている氷神の聖剣コールド・エクスカリバーが溶けている事を認識する。

氷神の聖剣コールド・エクスカリバーは柚子の体内に宿った神器であり、異能である。氷神の聖剣コールド・エクスカリバーは柚子と精神深く繋がっており、氷神の聖剣コールド・エクスカリバーが破壊されれば、される程、持ち主の精神を破壊する事になる。


「……大丈夫なのか?」


(ひょう)は柚子へと語りかける。

しかし、柚子は何の反応も示さなかった。


「……くそっ!」

(ひょう)。なんとかして、神器を体内に戻そう」


紫音は(ひょう)に提案する。破壊されても、粉々にされても神器を体内に戻す事に成功すれば、神器は再生を開始する。体内で再生に成功すれば、精神状態も安定する事になり、現在の柚子を救う方法は柚子の体内に宿っている氷神の聖剣コールド・エクスカリバーを体内に戻すことが一番簡単な方法である。


「……それしか無いな」


(ひょう)は柚子の元へと駆け寄る。


「大丈夫か?」

「はぁはぁ、うん!」

氷神の聖剣コールド・エクスカリバーを体内に戻せ」


(ひょう)のその言葉通りに柚子は神器を体内に戻す。

その直後だった、高温の液体と化したスライムが津波の様にして、四人へと迫っていた。


「……避けようも無いなぁ」


柚子を抱き抱えた(ひょう)は紫音と舞と合流し、素早く動く高温の液体が避けられない事を直ぐに悟った。

それは紫音、舞も理解していた事だった。


「……(ひょう)、舞、ここは僕がやる逃げるんだ」

「あの女が兄貴の剣と同化したからなぁ。あれで行くのか?」

「あぁなんとか。するよ」


紫音が覚悟を決めたその時、高温の液体と貸したスライムは何かに吸われる様にして、四人の前から消える。


「突然消えやがった。兄貴か?」

「僕は何も」


シェルターの周りからスライムは完全に姿を消したが、直ぐに巨体で無数のスライムがシェルターを取り囲む。


「どうする?兄貴」

「……津波の様に動いていたさっきと違って、今度は個体だ。これなら、逃げる事も、シェルターを目指す事も出来そうだ」

「……柚子がこんな状態だ。それを考慮してくれよ」

「……シェルターを目指そう。情報はジークフリード・アンサンブルから聞かない事には始まらない」

「……だったら、さっさと行こうぜ。スライムの動き出す前に」

「そうだね」


柚子を抱き抱えたまま、(ひょう)は走り出す。紫音をそれにつづくが、動かない舞に気付き、足を止める。


「どうかしたの?」

「何でも無いよ。(……私は……ここに居ただけ、何も出来なかった。お母さんが居たなら、皆を救えていた。どうしたら……お母さんは私の体に入って、何を伝えたかったの?)」


舞はゆっくりと足を進ませる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ