第852話 スパイ
日本で管理する神傘下チーム[ゼロ]に所属するチーム[マスク]に襲われた川上舞はジークフリード・アンサンブルに頼み佐倉柚子と共にアメリカ軍の本部へと訪れていたが、中に入ったのはジークのみであり、舞と柚子は外で待たされていた。
「……これがチーム[マスク]が使用していた仮面か」
「それをどうなされるおつもりですか?」
「仮面を付けただけで、力を得る構造が使える部分があるからな」
「用件が以上なら、ここで失礼します」
「……スパイとして、どのぐらい続けられる?」
「薄々感ずかれています」
「数日でバレそうか。奴らも間抜けでは無いか……潮時だな」
「それでは」
「あぁチーム[ヴァルハラ]は管理する神から離脱するが良い。身の安全はアメリカ軍が保証しよう。約束通り、ベルセルク・フルベルクは大将を努めて貰う」
「宜しいのですか?」
「構わない。一人、幻魔の幻覚によって、埋められた人物だ。シェルターを任せてある……時期に死ぬだろう」
「それを理解していながら、助けは出さないのですか?」
「……君はアメリカ軍に所属するのか?それとも[レジスタンス]につくのか?どっちだ?」
「……[レジスタンス]につきます」
「ならば、何も答えられない」
「失礼します」
ジークはアメリカ軍総指揮官を務める男に背を向け、その部屋を後にする。
ジークは外につき、直ぐに舞と柚子の元へと向かう。
「……用件は終わった。これからどうする?」
「廉はどこに居るか分かる?」
舞のその言葉にジークは何も答えられなかった。
「……アメリカ軍が所有するシェルターに向かいたい」
「シェルター?」
「あぁ、そこに木山廉は居ないが……アメリカ軍の大将の一人が助けもなく、一人で戦っている。このままでは、死んでしまうだろう」
「分かった。行こう」
「チーム[バベル]の実力はコキュートス内に捕らわれていた事もあって、何の情報も無い。危険な戦いになる。二人は安全な場所に居て貰っても構わない」
「行きたい。私は戦える」
「……君は?」
ジークは柚子へと確認を取る。
「……知らない土地で一人待つなら、一緒に行くわ」
ジーク、舞、柚子の三人はシェルターへと向かう事となった。
シェルターの目の前ではアメリカ軍の大将の一人イザベラがたった一人だけで、チーム[バベル]の進行を食い止めていた。
辺りには、数人の人間が既に倒されており、チーム[バベル]のメンバーは残り三人となっていた。
チーム[バベル]の人間は全て、天帝空剣によって倒され、残りの三人も同様に倒すつもりのイザベラは身構える。