第851話 氷雪の目的
「……氷雪」
「妹はお前の剣と共に統合出来た様だな」
「何を考えている?何がしたいんだ?」
「……妹の最後の頼みを聞いたまでだ。妹はお前と居たと聞かなくてな。だからこそ、アメリカ軍と共に進めていた終焉の冬計画を利用したことが全ての始まりだった」
「……まさか、ここまでの事が全てお前の計画なのか?橘家が用意した飛行機やその操縦や元々、僕の異能であり、神器でもある氷神撃滅剣を凍結に用意させていたのも全ては……お前が仕組んだものなのか?」
「そうだ。強絶にも頼んだ。凍結がこんな所で命を落とすとは思わなかったが」
「……氷月の為、氷雪おまえはこれからどうするつもりだ?」
「昔から変わらない。日本を変えたい。それはチーム[雷帝軍]の目的でもある」
「それでもお前のやり方は理解でない」
「する必要は無い。アメリカ軍が時期にここに来る」
「アメリカ軍と共に進めてきた計画を僕に委ねてどうする?」
「……お前が氷神撃滅剣を所持しており、氷を全て切断出来る事はアメリカ軍も理解している。それで氷の体となった氷月が斬られたと言えば逃れる事は出来る」
「最後に聞かせてもらう。終焉の冬を完成させるつもりか?」
「……それが人間の手で扱える物では無いことはお前も知っているだろう。言い換えれば、十鬼シリーズの一体氷魔がそれを獲得しようと言う動きがあるらしい。お前も終焉の冬に必要な異能の一つを持つ者として気をつけろよ」
「……」
「……その様子だと、知らない様だな」
「何の事だ?」
「ここアメリカに木山廉と川上舞が居るそうだ」
氷雪から告げられたその言葉に紫音は動揺する。
「廉はイギリスに居る。それに舞は動ける状況ではない」
「そうか。だが、聞いた話では、木山廉は[レジスタンス]を率いて、川上舞はジークフリード・アンサンブルと一人の日本人と共に来ているらしい」
「ジークフリード・アンサンブル?」
紫音は目にした訳では無いが、聞いた話ではジークフリードは舞の母親である玲奈の魂を抜いた張本人である。そんな人物と行動を共にしている事は明らかに何かあることを示唆していた。
「舞がどこに居るのか分かるのか?」
「アメリカ軍が所有するシェルターに向かったと聞いたが」
「分かった。ありがとう」
紫音は背に氷で造られた翼を生やし、飛行すると、氷の元に向かう。
「……氷雪と何を話していた?」
「舞が何故か来ているらしい」
「……柚子に護衛は頼んだ筈だが」
「何が起きているのは行ってみないと分からない」
「行ってみるしか無いか」
二人は舞が居るとされるアメリカ軍が所有するシェルターへと向かう。