第837話 アメリカ軍の思惑
「幻魔の幻覚……アメリカ、嫌世界が幻魔の影響に受ける事を知りながら一人だけ逃れたと言うのですか?」
「……これは世界の為ではないよ。アメリカだけの為に選んだ行動だ!」
「どうゆう事ですか?」
「わざとアメリカの牢獄から逃がしてやったのだ。そして、幻魔の幻覚通りにイザベラを大将にさせてやっている」
「……でも、幻覚はスカーレットが幻魔を討伐が完了した事で解けている筈です」
「事実が異なれば、その違和感を感じるだろう。君がコキュートスで囚人の数が合わなかった様に……でも、イザベラが大将と言うのは事実だ。アレックスがアメリカを裏切った時点で、幻覚がかかる前に正式にイザベラを大将とした為に、幻覚が解かれてもその事実は変わらない」
「待ってください。アレックスが抜けたのは理解しています。でも、アレックスが裏切ったとは何ですか?そもそも、幻覚で大将をアレックスからイザベラにすり替えると分かったんですか?」
「二人の協力があったからね。元帥のマーク・レベレスタと大将の一人ジェネシス・ワーデルの協力の計画は今現在も進んでいるのだよ」
「ですが、アメリカは今」
「理解しているよ。アメリカが捕らえた管理する神No.9チーム[バベル]のメンバー達の脱獄は成功して、アメリカは元大将の一人アレックス・バーグとチーム[バベル]から攻撃を受けている」
「……これが計画通りだと?」
「その通りだよ。狂いは無い」
「……では教えて下さい。この後はどうなるのですか?」
「教える事は出来ないよ。知ってしまえば君達は行動を変える可能性がある内は何も教えられないよ」
「……ふざけているのですか?死者も出ているのですよ」
「……弱き者はね」
「はい?」
「平和が続いたアメリカは弱体化が進んでいる。平和ボケしているのだよ。危機感も無く、何となく日常を過ごすアメリカ軍の兵士達はこの危機にどう立ち向かうのか、どう死んでいくのか、どう生き残るのか、何を残すのか、生きるためにどう力を得るのか、誰を守るのか、誰を見捨てるのか……これが問われた状況は幻魔が討伐され、幻覚が解かれた状況で混乱するアメリカを狙う者達と対峙した時に問われる」
「……無駄な犠牲者が出るだけです」
「死ぬのは弱者、生きる残るが強者。弱くても生きる残る為に力を身につけるこれは訓練では限界がある。結局手っ取り早いのが戦場なのだよ」
「……アメリカ軍の勝手な考えに、市民を巻き込むのですか?」
「これは訓練だよ。平和をいつまで続くか分からない。突然訪れたこの危機をどう対処するかによって、アメリカ軍の力が世界に証明される」




