第825話 氷雪の目的
「氷雪様が氷系統の能力、異能を受け継ぐ場合、その者の合意の元に行われている。そして、氷雪様は強絶様と共に日本をより良くしようと動いている」
氷神の拘束に捕らわれていた氷だったが、暴滅氷竜神を発動させ、氷の鉄格子の間を氷竜を操作して、外から攻撃をする。
「……破壊したか」
「覚醒も使わずに俺を拘束出来ると思うな。お前は薔薇で形作られた氷をしようしている事ぐらいあの時に俺は見ている」
「……だろうな。それで、アメリカには行かないのか?」
「ちっ。お前が運転手かよ」
「そうだ。俺が居なければ、お前たち兄弟はアメリカに行くことも出来ない。どうする?」
凍結のその言葉に何の躊躇もなく答えたのは紫音だった。
「連れていってくれ」
「ついてこい」
凍結の後に続く紫音に氷は近づく。
「どうゆうつもりだ?」
「全てはアメリカで明らかにするよ。氷月の能力をわざわざ、アメリカで受け継ぐだけにしては可笑しい。何かあるはずだ。」
「……確かにそれは疑問だったが、凍結はどう思う?」
「氷雪の何かを知っていると思う。そして、それをどうにかしようとしている。一人で出来ない事から、僕や氷も協力して貰いたいんだと思うよ。……気がかりなのは、橘強絶の方だ」
「……どのみち、アメリカに行ってみねぇと何も分からねぇって事かよ」
「嫌なら、僕一人で行ってくるよ」
「……断る、俺も行く。残されて、何も分からねぇじゃ、気が済まないからな」
「氷らしいね」
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「橘家って元東京本部の中でもその敷地面積は二位との差をかなり付けた上での一位だったな」
「……良く知っているね。氷」
橘家に着いた二人は呆気に取られ、橘家を眺める事しか出来なかった。
橘家は雷系統の能力、異能を持つ人間が多く、その雷で日本中に名を残す者を続出させている名門の一族である。
二年前には更なる力の選抜として、本家を橘家、分家を立花家として、強者のみを橘家に弱者を立花家に分けた事によって、本家と分家による抗争が続いたものの、一週間に続いた抗争を本家が勝利して事によって現在、立花家は逃げる様にして、東京本部から離れ、立花家の当主である立花雲雷の提案によって、現在は山梨支部で生活を送っている。
「……早く入れ!」
凍結に促され、二人は橘家へと足を踏み入れる。
別々とは言え、チーム[アブノーマル]のリーダー木山廉は[レジスタンス]を、副リーダーの佐倉紫音は弟、そして上原凍結と共に、そして、川上舞はジークフリード・アンサンブル、佐倉柚子を連れ、アメリカへと飛んだ。