第814話 次なる国へ
フランスの防衛局での話し合いが終了し、[レジスタンス]メンバー達は外に居た。そんな中で雲雷が語りだす。
「それにしてもフランスが最強の五大部隊を解散させるとは思いませんでしたよ」
雲雷のその言葉に武田が続く。
「仕方あるまい。五大部隊最強と言われると[スターゲイザー]の裏切り等もあったからな」
「穢れなき聖剣も表に出てくる程、フランスは追い込まれったって事になるのでは?」
「確かにな。でも、切り札を切ったんだ。フランスの戦力はかなり上がる」
「俺達がここで話してもどうすることも出来ませんね。そろそろ行きませんか?」
雲雷のその提案に秋人は直ぐに止めに入る。
「待ってくれ、庄司がそろそろ来る」
「……アメリカの任務が終わったんですね」
雲雷の口から何気なく告げられたアメリカの話だったが、その言葉に秋人は反応する。
それに気がついた廉はイギリスで秋人が所属しており、リーダーを務めていたチーム[ダイヤ]がアメリカに向かう指示を受けた事を思い出す。
「……秋人、この後はどうするんだ?」
「日本に戻ろうかと。総帥になられるリーダーには我々[レジスタンス]の拠点としている場所や紹介したい人物もいますので」
「それで良いのか?」
「……それは、どうゆう意味ですか?」
「アメリカに行かなくても良いのか?」
秋人のその言葉に廉が答えようとしたその時、魔法陣が出現する。
その魔法陣から転移魔法によって、庄司が姿を現す。
「秋人さん。お久しぶりです」
魔法陣から姿を現した庄司は真っ先に秋人へ挨拶をする。
そして、庄司は秋人の隣に居る廉に気がつく。
「まさか、廉さん?」
「そうだけど」
「[レジスタンス]に来られるんですか?」
「その予定だけど」
「そうですか。それじゃあ、転移魔法で全員日本に転移しますよ」
「待ってくれ。アメリカに行けるか?」
廉のその言葉に秋人は反論する。
「リーダー。気になさらないで下さい。日本に帰りましょう」
「それで良いのか?もしもの事があったら、それは一生引きずるぞ。ここで皆で乗り越えようぜ」
「仮に行くとしても俺一人で」
「駄目だ!」
「リーダー。しかし」
「ここでもしもの事があれば一生俺は後悔することになる。俺は行くぞ」
廉のその言葉に武田、雲雷は続く。
「俺も木山が行くなら、行くぞ!」
「一人留守番をするのは嫌なので俺も行きますよ」
皆を説得するのは簡単な事ではないと悟った秋人は諦める様に告げる。
「分かりました。行きましょうアメリカに」




