第811話 レジスタンスの結束
「あぁ、知ってる。って言うかあの老人なら、そうするだろう」
「……そうだね。……ローラン君が帰って来るのを待っているよ」
「何年かかるか分からんぞ」
「何年でも待とう。このフランスにて」
「……それじゃあ、フランスは任せるぞ」
「その前にノブレスが覆った無数の魔手と、何よりもガーロン様をどうにかしないとな」
「親父なら、廉の仲間が、対処してくれている」
「そうなのかい?」
オリヴィエに見つめられた廉は答える。
「その通りです。俺も仲間と合流しても良いですか?」
「ガーロン様はフランスの上層部の人間であり、これはフランスの問題なのだが、何故君は協力的なんだ?」
「……どの国でも関係無いですよ。困っているなら、誰でも助けるそれが[レジスタンス]の総帥である俺の考えだからです」
「見返りも無く?」
「はい!」
そう言い切った廉を目を真っ直ぐ見て、察する様にオリヴィエは微笑む。
「ならば、ガーロン様は[レジスタンス]に任せよう。僕達はフランスの上空を対処する」
「……任せます!」
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フランスの上空を覆う無数の魔手の対処をローラン、オリヴィエの二人に任せた廉はガーロンと戦っている[レジスタンス]のメンバー達と合流するため、来た道を引き返していた。
「……あれ?」
廉は到着すると共に白い物質によって拘束されているガーロン姿がそこにあった。
「木山どうした?」
武田は戻ってきた廉に気づいて、慌てて声をかける。
「……ローランは自問自答の穢れなき聖剣によって、正気を取り戻した様だ。俺も自問自答の果てにやるべき事を見つけられた。[レジスタンス]の総帥として困っている人を助けたい。日本の本部や支部を選ぶこと無く、国境も関係無く助けたい」
廉の言葉を聞いて、秋人は間髪入れずに即答する。
「リーダーがそうおっしゃるなら、俺は従います」
「世界ってこれはでかく出ましたね。廉の兄貴」
雲雷のその後に武田は食らいつく。
「雲雷。木山は[レジスタンス]の総帥。それが木山の意思なら従うが俺達の義務だ」
「武田さん。俺は否定したつもりなんて無いですよ。俺もやりますよ。世界中回るのは好きなので」
その場に居るメンバー達の答えを聞いて廉は戸惑う。
反論も予想していた廉にとって、皆の反応は戸惑うものだった。
「良いのか?俺の独りよがりの考えに付き合ってくれるのか?」
廉のその問いかけに三人は答えは全く同じものだった。
「「「はい!」」」
「……頼む!」