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第778話 十鬼シリーズの仕組み

十鬼シリーズは元にした人間の魔法、能力、異能を受け継ぎ、各個体特殊な力を秘めている。

十鬼シリーズの強さは造られた順序でその強さが分かれている。

最初に造られた者は一番弱く、最後に造られた十体目が最強と言う様に分かりやすいものになっている。

造られた順序は拳魔、水魔、炎魔、幻魔、風魔、雷魔、封魔、業魔、神魔、極魔である。しかし、その強さは元にした人間によって変化する場合があり、四番目の強さを誇るとする幻魔は異能を抜かれた木山ゲンマの体を元にした事もあって、現在は最弱とまで呼ばれている。そんな幻魔にパラスは儀式を施し、能力を与えたものの、最弱のままであり、その理由は明らかに木山ゲンマを素材にした事は確実である。

今回、ドレア・ドレスの体を手に入れる事に成功すれば、幻魔は最弱から元の四番の強さへと返り咲く事が出来る。それがあるからこそ、パラスがわざざわ、イギリスに来ていた。


「接近している」


突然、身構えた秋人を見て廉はただ事ではないと察し、それを確認するため、尋ねた。


「急にどうした?」

「幻魔と思われる者が接近しています」

「いよいよか」

「準備は大丈夫ですか?」

「あぁ」


廉は炎神の武器(レヴァンティン)を発動させ、炎神の魔剣レヴァンティン・ソードを手にする。


炎神の魔剣レヴァンティン・ソード……こいつで行けるぜ」

「それが、炎神の武器(レヴァンティン)から造られた剣炎神の魔剣レヴァンティン・ソードですか?」

「あぁ、そうだ」

「形は違いますが、それは降炎魔神剣(レヴァンティン)と同じものかと」

「昔とは何か違うのか?」

「ええ」

「……悪い……思い出せない」

「構いません。全力でサポートしますから」

「……俺がした方が良いと思うけど」

「それはなりません。二年間、貴方の事を調べた結果、リーダーが幻魔を倒せば……嫌、黒いオーラで吸収出来れば、その力を略奪出来るかと」

「……どう言うこと?」

「確証のある話では無いのでなんとも言えませんが……その可能性があるなら、試す価値はあります」

「出来るか分からないけど、やるだけやってみるよ」

「はい!」

「何か霧が濃くなってきたな」


辺りが霧に包まれ、その霧が濃くなってきた事に廉が触れた時、秋人とスカーレットは幻魔の登場に警戒を強める。

霧が一ヶ所に集まると幻魔が姿を現す。


「こいつが幻魔」


廉は初めて対面する幻魔を見て、恐怖心よりも、好奇心が勝ってきた。

それは秋人の言葉が大きく影響しているが、それよりも吸収すると言う言葉を聞いてから、それを試したいと思い続けた廉にとって、都合の良い相手のその登場に少しばかりの喜びを感じていた。




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