第770話 正気を取り戻したローラン
ノブレスは黒いオーラを放出を始める。
「無駄な事だと理解出来ている筈だ。本体も無く、黒いオーラは今ここにあるだけで戦えると?」
「お前のつよさは規格外だった。しかし、俺の力も規格外だと、自負している。奪った宇宙なる原則と俺の異能侵略者の支配はまだ使えるぞ」
「……侵略者の支配で奪うつもりか?」
「フランスにはまだまだ奪える物が多い」
ノブレスはその言葉を実行するよりに、オリヴィエが破壊した壁に黒いオーラを放ち、外へと黒いオーラを放つ。
「まずい。外には待機させていた部隊が」
オリヴィエは外に待機させていた部隊がノブレスの侵略者の支配の餌食になる事を何よりも恐れた。
侵略者の支配は黒いオーラと接触させた者と体を一方的に繋げ、ダメージをつなげた者へ与える事や魔法、能力、異能をノブレスが使用する事が出来ることから、多くの人間と体を繋げてしまわれたら、多くの人質と、魔法、能力、異能の使用を許す事になる。
「……ジャンヌ行けるね」
「はい!」
オリヴィエの指示を受け、ジャンヌは背に生やした焔の翼をはためかせ、破壊された壁へと飛行を始め、このままでは、ジャンヌの体が通れない事から、不滅聖焔剣を振るい壁を破壊し、外へ脱出する。
「オリヴィエ・シュヴァリエ……お前は行かないのか?」
「……ローランを置いては行けないからね」
「……おや、そのローランのお目覚めだ」
ローランは頭に手を起き、体を起こす。
そして、思い出す。今までの事を。
「俺は、俺は……なんて事を」
ローランの脳裏にノブレスによって、動かされた時の記憶が脳を支配していた。今までの殺害、脅し等ローランの意思とは反するその行動はローランの精神を崩壊させるのに十分なほどであった。
「俺は悪くない。俺のせいじゃない。俺は知らない!」
ローランは慌てて、その場から走って逃げたす。
「待つんだ。ローラン!」
オリヴィエの呼びかけに耳を傾ける事無く、ローランは走り続けた。
「罪の意識に耐えられなかったか」
慌てて逃げたローランを見て、嘲笑う様に告げた。
「オリヴィエ・シュヴァリエ。ローランの体を支配していたとき、幼少の記憶を見た。仲が良さそうだったが……今は違うみたいだな?」
「僕とローランが過ごしたあの時はとても短い時間だった。それでも、僕達は親友と呼べる仲になったと思っていたんだ。だからこそ、ローランがチーム[スターゲイザー]のリーダーになったとき、お互いに背を預け、肩を並べ、同じ時を過ごせると思ったんだ。でも、それは出来なかった……お前がローランの体を支配していたからだ!」




