第754話アーサーvsアルフレッド
伝説の聖剣が手に出来ないと言う事実だけがアルフレッドの体を硬直させた。
アルフレッドはイギリスにあるとされた伝説の聖剣を手にすると言う任務の為、チーム[レジェンダリー]の拠点とされるこの世界とは別空間に存在している世界から来ており、伝説の聖剣を手にする事が出来ないまま、帰れる訳が無い。
しかし、持ち帰る方法も無いのも事実である。
そんな中、結界の亀裂は大きくなる。アルフレッドは伝説の聖剣を持ち帰る術が無い事から、ここから離脱する事に決めた。
だが、そんなアルフレッドの脳に直接声が聞こえて来る。
(アルフレッド逃げるな。伝説の聖剣が手に入らないのは残念だが、ここはアーサー・グラフェリオンの力を見たい)
その声はチーム[レジェンダリー]のリーダーのものと一瞬で理解したアルフレッドは言葉を慎重に選んで答える。
「アーサー・グラフェリオンの戦闘なら、この目を通じて理解されているのでは?」
(……知りたいのは、アーサー・グラフェリオンがエクスカリバーとの相性だ)
「……了解しました!」
アルフレッドは逃走を止め、結界が破壊されるのを待つことにした。
暫くして、結界は破壊される。
そこにはアーサー一人が居た。
「この結界は宇宙の力があると言われ、破壊するのには核兵器でも絶対に出来ないと言われている強度なんだが……破壊するとは、流石だな。アーサー・グラフェリオン」
「……アルフレッド・ザザス……偽名だろ?」
「……知っていたのか?そんな事を確認する為にここに来た訳では無いんだろ?」
アルフレッドは王者の神旗を発動させ、両手に黄金に輝く旗を手にする。その両手に握られた黄金に輝く二つの旗を強く握られる事によって、右手は王者の神剣、左手は王者の神盾へと変化する。
「……その剣と盾はチーム[ソード]、チーム[シールド]の神器の筈」
「元々、これは俺のものだ。チーム[ソード]のリーダーもチーム[シールド]のリーダーもチーム[メメントモリ]が用意した人員だ」
「……貴方はここで僕が倒す」
アーサーの固く握られた右手から目映い光が放出される。
その光は剣へと変化する。それはアーサーの体内に宿っている神器、聖神の聖剣である。
「……お前は俺には勝てない」
「今の僕は世界最速の男。……もう誰も僕の動きを認識する事は出来ない」
聖神の聖剣は手にした者に最速の速さを与えるとされ、世界最強の聖剣としても知られている剣である。
そんな聖神の聖剣を手にしているアーサーは一瞬にして、アルフレッドの首を跳ねる為、切りかかる。




