第752話 正体
動き出したチーム[ナイト]は王者の神旗の効果を得ている黒いオーラで造られた存在を少しずつではあるが、各自に数を減らす事に成功していた。
そんな中、リーダーであるアーサーは凄まじい勢いで敵勢力を全滅していった。そんなアーサーに続いて多く倒していったのが、アーサーの側で戦っていたアレクサンダー・ペンドラゴンだった。
アレクサンダーの魔法は白魔術:対魔術であり、魔に対して圧倒的なアドバンテージを得る。それに加え、白呪術:吸魔術まで会得している事もあって、魔属性の攻撃は吸収して、自身の力へと変換する事が出来る事もあって、[メメントモリ]が送り込んだ黒いオーラで造られた存在を相手に圧倒的な優位のまま、アレクサンダーは次々と黒いオーラで造られた存在を倒していった。
そんな中、アーサー、アレクサンダーの二人と共に居たキャサリンは地面に突き刺さった王者の神旗を見て、違和感を覚える。
「何か、可笑しい」
それにキャサリンが気がついた時にはキャサリンの周辺に結界が展開される。そして、旗は剣に変化するとキャサリンを左腕を切断していく。
「っ……この剣はチーム[ソード]のリーダーの王者の神剣」
その剣を正しく認識したキャサリンへと拍手が送られる。
「……見事だよ。君達姉妹にはまさか、王者の神旗の真意に気がつくなんてな」
「お姉ちゃんが気がついた?」
「そうだ。だから殺したんだけどな」
「チーム[円卓の騎士団]を率いる貴方が殺した?」
「……それは仮の姿さ。こいつの体は俺が支配している。俺の大事な部下だ。あのお方に伝説の聖剣を献上するために、イギリスの上層部、チーム[円卓の騎士団]の体を奪ったのさ」
「……」
「理解が追い付かないか?俺の異能は真夜中の侵略者でなぁ。とある条件を充たせば、誰の体でも俺のものに出来るのさ。王者の神旗を見てお前が気がついたのが、俺の異能の特殊な発動条件なんだよ。お前に気づかれたからな。もしかしたら、支配を解く方法を知られた可能性がある。だから、ここで殺す。姉と同じように」
「可笑しい」
「何がだ?」
「貴方は支配されていない。いつまで、演技を続けるの?」
「……はやり、お前たち姉妹はもっと早く殺しておくべきだった。演技に気づかれるなんて、お前らはエクスガリバーの……嫌、それはアーサー・グラフェリオンだけだったな」
「何の話し?」
「知る必要はない。だが、姉の様に最後は教えてやる。俺は管理する神のNo.2チーム[レジェンダリー]のメンバーだ!」




