第75話 感謝
私ー荒川玲愛の戦いは終わり、帰り道浴衣ちゃんと八重さんと一緒に串カツ、タコ焼き等思い付く限りの大阪名物を食べ尽くした。
お金は八重さんがお礼として払ってくれた。
お金は無かったから助かった。
女の人には居場所が必要だと私は考える。男は醜くて汚い。
だからこそ、私は戦う。この居場所を失わない為に強くなる。
その為には覚醒の力をものにする。
私達は浴衣ちゃんの転移魔法でチーム[ゼロ]の拠点に戻って来た。
どこか。安心する。
ここが私の居場所なんだ。
「無事のようね」
「ドレアさん」
「待っていたわ」
待っていた?
何か私に用事があるのかな?
「なんですか?」
「次の任務の話よ」
「任務ですか?」
「えぇ、チーム[カオス]全員でね」
ここに居る全員でやる任務。
どんな任務何だろう?
「山梨県の名門を潰す任務が来たわ」
「山梨県ですか?山梨県の名門って?」
「檜山家と木山家よ。炎系の能力、炎系の異能力が居る。韓国のチーム[フレイム]が依頼してきた任務よ」
チーム[フレイム]?
聞いた事が無い。チーム[フレイム]も管理する神の傘下のチームなのかな?
「その任務は今すぐにやるんですか?」
私は大丈夫だけど……八重さんと浴衣ちゃんは疲れているだろうし……
「いいえ、明後日よ」
「そうですか」
「そう言えば、今回の任務でものに出来たかしら?」
「……?」
「覚醒よ」
「……出来たんでしょうか?何だか男の人に強い怒りを覚えたとき使えた気がするんです」
「そう。まだ……今回の任務はかなり厳しいわ。体を休めて」
ドレアさんはそう言うとその場を後にした。
……私の覚醒は強い怒りで覚醒するのかな?
今回の任務はドレアさんも参加するみたいだし……
私も頑張らないと、誰も死なせない。
私が守るんだ。
「ドレアさんと何か話していたみたいだけど何の話?」
「八重さん……えっと任務について」
「そう」
八重さん……もう落ち着いてるみたい。
竜の兵隊の能力者の男に気絶させられてから、何か考え込んでいたみたいだけど、今は最初にあった時と同じ表情だ。
怪我はしてなかったみたい。
あれ?浴衣ちゃんは?
「浴衣ちゃんは……」
「浴衣なら寝たわ」
浴衣ちゃんは大阪でも食べながら寝ていたもんね。
「少し話さない?」
「……はい」
話?
八重さんが?
何の話だろう?
私と八重さんは大広間の椅子に座った。
「それで話って?」
「ただお礼は言っておかないとね。本当にありがとう」
「私は大した事は何も」
「あの時の私は冷静さを失っていた。貴女が居なければ私はあの男に弄ばれていたかもしてないわ」
「そんな事無いです。八重さんは仲間の為に動ける素敵な人です」
「……ねぇ、玲愛って呼んでも良いかしら」
「うん……じゃ私も八重ちゃん」