第749話 ナイトメア・クリスマス
ナイトメア・クリスマス。
これは三年前に起きた戦争の名称である。
管理する神のNo.7のチーム[ナイトメア]とNo.5のチーム[メメントモリ]がフランス、イギリス、イタリアへ攻撃を開始した事によって、始まった戦争である。主な敵戦力はNo.7のチーム[ナイトメア]であり、No.5のチーム[メメントモリ]は正体不明な黒いオーラで形作られた人の様な存在が5000体援軍として送られた。
三ヵ国同時に攻撃を受けた事によって、三ヵ国は一時間も経たない内に同盟を結ぶ事になった。
三ヵ国は多大な被害を受けたものの、この戦いによって、この戦争に参加した者達は名を馳せる事になる。
「敵の目的は不明だ。だが、このイギリスに足を踏み入れた時点で生かして返す訳にはいかない」
イギリスの国全体の防衛を任されているチーム[円卓の騎士団]のリーダーアルフレッド・ザザスのその叫び声はチーム[円卓の騎士団]の皆に伝わる。
「アルフレッド様。チーム[メメントモリ]と思われる黒いオーラで造られた存在が接近しています」
「そうか。迎え撃つぞ!」
アルフレッドのその言葉でチーム[円卓の騎士団]の全員は一斉に動き出す。作戦や連携等は皆無であり、完全に出たとこ勝負な状態である。
「お前も行け」
チーム[メメントモリ]の接近を伝えたチーム[円卓の騎士団]の傘下チーム[ナイト]のリーダーであり、[円卓の騎士団]の副リーダーも務めるアーサー・グラフェリオンが動かない事もあって、アルフレッドは戦場へと向かうように促す。
「……このままで良いのですか?」
「何が言いたい?俺のやり方にいちゃもんをつけるのか?あの時の様に」
「……あの時、僕達は失わなくても良い犠牲者を出してしまった」
「僕達ではない。チーム[円卓の騎士団]のリーダーは俺だ。あの犠牲者は俺が出した。あいつらも分かっていた事だ。国の為に動くとはそうゆう事だ。チーム[円卓の騎士団]に居る以上、俺以外の命は全て、替えが効く」
「本気で言われているのですか?」
「本気だ。副リーダーであるお前も同じだ。分かったら、この国の為、死んでこい」
アーサーはこれ以上の話をしても、アルフレッドの考えを変えさせる事は出来ないと判断し、諦める様にして、戦場へ化したイギリスを救う為、動き始める。
イギリスはチーム[メメントモリ]が解き放った黒いオーラで造られた存在の対処に追われていた。
作戦も敵の情報もない事もあって、チーム[円卓の騎士団]は多くの死者が出る結果となる戦いの始まりである。