第746話 不明な任務内容
ローランによって、ジャンヌが反逆罪の疑いによって、連行された事は直ぐにフランス中に駆け巡っていた。その噂は特殊な任務に付いていたモルドレッド、アルバーの耳にも届いていた。
「モルドレッド。どう思う?」
「……どうだろうな」
「どうだろうなって、ここに来たのはお前が三年前からイギリスの上層部に直談判して、この任務につけたんだろ!そろそろ、教えてくれ。三年前のナイトメア・クリスマスで何があった?」
アルバーのその言葉にモルドレッドの表情は一変する。
三年前に起きたナイトメア・クリスマスとは、三年前の十二月二十四日~十二月二十五日の間、フランス、イギリス、イタリアの三国は常に夜が続いた戦争の名称である。
三国が争った戦争では無く、管理する神No.7のチーム[ナイトメア]とNo.5のチーム[メメントモリ]の侵略を阻止するべく、イタリア、フランス、イギリスが同盟を組み、迎え撃った戦争の事である。
そして、この戦争の終了後、モルドレッドはフランスのローラン・アルガストの調査をイギリスの上層部に直談判をしていた。
この事はイギリスの上層部を含めた一部の者とアーサー等しか知らない任務であり、同行しているアルバーも任務の内容を知らされずに、共に行動をしている。
「……何もねぇよ。ただあいつが居たら、フランスは壊滅する……気がする。そして、壊滅したら……次はイギリスかもな」
「お前がそこまで危険視するなんて、何かあったんだろ?」
「話すと長くなるからな。今はジャンヌをどうするかだ」
「……第三部隊を率いるジャンヌをフランスもそう簡単に手放すとは思えないが」
「第一部隊を率いるローラン程では無いだろう。フランスは何よりもローランだ。ジャンヌよりもな」
「まさか、ジャンヌをそのまま、処断するのか?」
「……ローランに直接、会うわけにも行かねぇし、ジャンヌを救出も出来そうに無い。ここには第二部隊を率いるオリヴィエに会ってみるか」
「そんな簡単に会えるか?」
「どうだろうな」
モルドレッドはアルバーの言葉を適当に受け流すと、自身の言葉に出した通りにオリヴィエに会うため、歩き始める。アルバーはモルドレッドの説得を諦め、モルドレッドの後に続く。
モルドレッドはオリヴィエが居るとされる兵士訓練学校へ訪れていた。
「ここに居るのか?」
「ああ、オリヴィエは人の才を見抜き、高める技術を持つ。実際、ジャンヌを育てたのは、オリヴィエだ」
「……簡単に会えるとは、思えないが」




