第733話 チーム[ジョーカー]
日本の[レジスタンス]の武田と雲雷が切り裂きジャックからパーティー会場に居る人間、ジャンヌを守る様にと依頼を受けたその二人が切り裂きジャックとは別の切り裂きジャックは別の黒髪の二人組と出会っていた。
その二人はイギリス最強のチーム[円卓の騎士団]傘下のチーム[ジョーカー]のリーダーモルドレッド・フーバーと副リーダーのアルバー・バートンの二人が切り裂きジャックと出会っていた。
全身黒ずくめで短剣を手にしたそれを切り裂きジャックだと把握するのには時間がかからなかった。
「……モルドレッドこいつが切り裂きジャックみたいだ。今回の任務とは関係無いがどうする?」
「関係無いなら、何もしねぇよ。さっさと行くぞ」
切り裂きジャックと出会った二人は何事も無かったかの様にその場から立ち去ろうとしたその瞬間、切り裂きジャックは不適な笑みを浮かべると直ぐ様、不快な笑い声で二人へと向かい走り出す。
「向かって来ているぞ」
背を向けていた二人は切り裂きジャックの存在を気配のみで感知していた。アルバーのその言葉に興味無さそうにモルドレッドはあくびをすると共に自身の背後から影を伸ばす。裏路地で太陽の日差しが届かないこの場所で影等は無いが、モルドレッドの能力では関係なく、自身の体内から影を出現させる事が出来る。
殺戮の影は能力、異能において最強を誇る能力である。そんな影が切り裂きジャックへと伸びていく。切り裂きジャックは避ける事なく、笑顔でその攻撃を受ける。
モルドレッドの背後から伸びる影は切り裂きジャックの体内を貫き、切り裂きジャックの体の動きを止めた。体が貫かれた切り裂きジャックは笑顔を絶やす事は無い。その後も高らかに笑い続け、その裏路地は切り裂きジャックの笑い声に包まれる。
「……モルドレッド、どう思う?」
「頭がイカれているんだろ。さっさと行くぞ!」
モルドレッドは切り裂きジャックの体を貫かれた影を元に戻し、再び歩き始める。そんなにモルドレッドに続きアルバーも切り裂きジャックに警戒しながら、歩き始める。
「……モルドレッド……加減したか?」
体を貫かれでも尚、笑い続け何事も無かったかの様に立ち上がった切り裂きジャックを目にして、アルバーは確認を取る。
「体を貫くのを加減って言うのか?」
「……では加減しないお前の一撃を受け、腹に穴が空いたあいつは一体何なんだ?」
「切り裂きジャックだろ?」
「そうだけど……この状況をどう説明する?」