第731話 ジャンヌ・ストラーダ
ーフランスー
現在、フランスととあるパーティー会場の警護に当たっていた金髪に赤いドレスに身を纏う少女の元に黒髪に青いドレスを着た少女が駆け寄る。
「報告します。切り裂きジャックと思われる全身黒ずくめ男がここに真っ直ぐ、向かって来ます」
「時間はどれぐらいかかりそう?」
「下で護衛している者も居ますから……早くても十分は」
「下に居るものはそんなに弱いのかしら?」
「はい。時間稼ぎが出来ればそれで良いと配属された。者達ですから」
「杜撰ね」
「はい。しかし……」
「ここは私が出るわ」
「なりません。ジャンヌ・ストラーダはフランスを象徴する人物です。戦闘を行えば、国民が不安がります」
「では、クロエ貴女が戦うの?」
「その必要はありません。日本の特殊な任務で来た二人に対処してもらうわ」
「分かりました」
ジャンヌのその言葉を受けたクロエは直ぐに移動を開始させる。
ジャンヌは昼間から呑気にパーティーを嗜む人々を眺め、ため息をつく。
そして、晴天なその空を眺め、ふと思う。
「このかりそめの平和はいつ終わりが来ても、可笑しくない。その終わりはもうそこまで来ている。……神の声がそう告げている」
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スマホはポケットへと入れた黒髪の男性が隣に居た金髪の少年へと目を向ける。
「それで、誰からの電話ですか?」
金髪の少年のその問いに黒髪の男性は少し困った表情で告げる。
「フランスの依頼者からだ。立花雲雷……この任務、ただの護衛では終わらんぞ」
「……その根拠は?」
「パーティー会場の護衛なら話は分かる。……でも、護衛対象にジャンヌ・ストラーダが入っているのは理解出来ない」
「確かに、その武田さんの意見は理解出来ますよ」
雲雷は武田が告げたその任務内容の違和感については、雲雷も気にかけていた。ジャンヌ・ストラーダはフランス最強の女と言われ、雲雷や武田がわざわざ護衛をする様な人物ではない。だからこそ、パーティー会場に居る人物だけなら、理解出来るがジャンヌ・ストラーダまで含まれるとそこにはなにかあるのではないかと考えされる任務内容となる。
「立花雲雷。どう思う?」
「ジャンヌ・ストラーダが怪我したとか?」
「それでも護衛か?では、それを日本人である俺達に任せる理由は?」
「……人手不足とか?」
「フランスがジャンヌ・ストラーダだけの国だと……最強の女はジャンヌ・ストラーダだが、男なら、オリヴィエやローラン等も居る。それにフランス最強の部隊[スターゲイザー]が居る護衛なら、その部隊に任せれば良い筈だ」




