第717話 廉の言葉
秋人はゼウスに自身の名前をつけられた事に戸惑う。
「何で俺様がお前の名前を知っているか……疑問だよな?全能神の災害の覚醒の一つ全知明晰なる神によるものだ。俺様の考え、疑問は全て、答えを正確に出すことが出来るんだよ。だから、お前の存在を把握したんだよ。最初はハーデスかと思ったんだがなぁ……まぁ、あいつはもう裏切らねぇよ。一度俺様を裏切って、肉体を奪ってやってからは俺様に逆らう事はねぇからな。そんな事はどうでも良い……木山廉、春夏冬秋人……二人まとめて相手してやるよ」
「嫌、ゼウス……お前の相手は俺だけだ!」
廉はゼウス相手に言い切る。
「俺様を相手に一人でやるつもりか?」
「そう言ってる」
廉のその言葉に武田は反論を始める。
「待って、木山!ゼウスは一人でやれる様な存在じゃない。ゼウスが本気になれば、世界を滅ぼすと言われる男だぞ。一人では無理だ!」
武田のその意見に同調するように秋人も反論を開始する。
「その通りです。黒いオーラから伝わって来ました。ゼウスの底無しの力を」
武田、秋人の二人のその説得を聞いても、廉の考えは変わる事はなかった。
「悪いけど、俺は残る。ゼウスはここで俺が倒す!」
「お前の力は認めてやるがよ。だからって、俺様に勝てる訳ねぇだろう?」
「ゼウス、お前は予言者か?」
「何?」
「出来るか、出来ないかは、やってみないと分からねぇだろう。それは、やった奴だけが言う事を許される。俺がお前には勝てるか、負けるかはやってみないと分からねぇ」
その廉の言葉は無能力者達の言う事を聞いてきた秋人の胸に響き渡る。
そんな廉の言葉は今後の秋人の人生を大きく変える事になると、共にその言葉が秋人の原動力となる言葉になる。
「任せます!」
秋人は武田を抱き抱え、廉にその場を任せて走り出す。
廉の勝利を全く疑わない秋人は振り替える事無く、走り続けていた。
「……春夏冬秋人とも戦いが、今はお前で我慢しておく。精々、楽しませてくれよ……木山廉!」
ゼウスは全身から雷を放電し始めていた。
廉は覚醒を終えている深炎魔神剣から大量の黒い炎を放ち、ゼウスの雷を全て吸収を終えた。
「ほう、対処したか。全てを吸収するお前の黒い炎は驚きだが、お前の動きは遅い」
「確かにそうだ。でも、ゼウスお前が一番理解している筈だ。全身を雷と化した状態では、俺の深炎魔神剣で吸収されるぞ」
「……確かになぁ。でも、お前は俺様に近づく事も出来ない」
ゼウスは廉の頭上に巨大なハリケーンを出現させる。