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神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第5章 魑魅魍魎(デーモン・ゲート)
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第703話 奪いしもの

「空き地に現れた死神とは違いますね」

「……空き地に現れたのはハーデスだ。今居るのはその部下だ。ここで倒すよ」

「はい。どうやって戦うつもりですか?」

「シンプルさ。真っ向勝負だ。俺がやるよ。君は必要に応じてサポートしてくれ」

「分かりました」


廉は右手から大量の黒いオーラを放出させ、降炎魔神剣(レヴァンティン)を一瞬にして手にする。すると、廉は全身から黒いオーラを放出させると、その黒いオーラを降炎魔神剣(レヴァンティン)へと送り込む。

すると、降炎魔神剣(レヴァンティン)の刀身は今までの緩やかな黒い炎の揺らめきとは違い、激しく燃え上がっていた。それに加え、降炎魔神剣(レヴァンティン)の刀身の形状も少し小さくなり、それに明らかに縮んでいた。そんな廉の手にする降炎魔神剣(レヴァンティン)の変化に秋人は言葉を出す訳でもなく、ただ見つめていた。そんな秋人に気がついた廉は降炎魔神剣(レヴァンティン)を右肩に置き、笑顔で秋人に近づく。


「これは覚醒だよ。異能力者は力を増幅させる事を覚醒と呼ぶんだよ。異能力者の進化である覚醒はその気になれば、いくつもの進化を遂げる事が出来る」

「異能力者の進化」

「魔法も能力もあるんだが、多くの進化を得るのは異能力者だけだ。能力者は能力を維持したまま進化させる能力向上(レベルアップ)、能力を異能へと進化させるのを覚醒と呼ぶんだ。能力者の進化はその内のどれか一つだけだ」

「魔法もあるんですね」

「……後でな。黒いローブの奴が待ってくれなそうだ」


廉は戦闘体制を整え終わり、今にも廉達に向かって動こうと黒いローブの人間に肩に置いていた剣を黒いローブの人間へと向ける。


「来い。相手してやるよ」


廉のその挑発に黒いローブの人間は勢い良く、飛んで向かってくる。


「来たな。悪いが深炎魔神剣レヴァンティン・アビスを使う以上、この勝負俺が勝たせて貰う」


廉は深炎魔神剣レヴァンティン・アビスから大量の黒いオーラを放出させる。その黒いオーラは深炎魔神剣レヴァンティン・アビスから離れる事は無かったが、まるで意志があるように動き始める。


「……」

「何も喋らねぇのか?」

「……」


黒いローブの人間は黒いローブから悪霊の様なものを廉に向けて解き放つ。

廉は深炎魔神剣レヴァンティン・アビスを振るい、黒いオーラを悪霊の様なものへと全て接触させる事に成功させる。気がつくと、悪霊の様なものは姿を消しており、廉が手にする深炎魔神剣レヴァンティン・アビスから放出させている黒いオーラの一部が悪霊の様なものを取り込んでいた。


「悪いが、深炎魔神剣レヴァンティン・アビスは物質を吸収する事が出来てね。お前がどれだけ頑張って悪霊のそれを出しても、俺の深炎魔神剣レヴァンティン・アビスが全て吸収してしまう。分かるだろう?この勝負はもう俺の勝ちだ」

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