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神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第1部 忘却の炎神
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第69話目的地

黒影の槍(シャドウ・ランス)

黒い槍だ。黒いオーラが常に放出しており、槍先は鋭さを感じる。

しかし、槍先は黒いオーラに包まれその槍先は時々見える。


「じゃあ、移動しようか。浴衣、荒川さんお互いの影を重ねて」

「影の移動って狭くて、苦しいよ」


浴衣ちゃんはじたばたとその場で足踏みをした。

……狭くて、苦しいの?

三人も入れるの?


「浴衣、早くして」


八重さんは浴衣ちゃんに睨みつけ、早くする様に誘導する。

私も嫌だけど、ここで八重さんに楯突くと怒られそうだ。

浴衣ちゃんと私は大人しく影を重ねる。


「これで準備万端」


八重さんはそう言うと持っていた槍を回転させ、そのまま私達を向かって投げつける。


「八重さん」

「八重ちゃん」


私と浴衣ちゃんは思わず叫んだ。

回転しながら私たちの重なった影に突き刺さる。

槍は地面に刺さった感覚はない。影の中に入ったの?

槍は中途半端に浮いている。

影の中を上下している。


「じゃあ、移動しようか」


八重さんは上下している槍を握る。

私と浴衣ちゃんの影が揺らめく。


「それじゃあ行こうか」


八重さんがそう言うとゆっくりと私たちは影に呑み込まれる。


「玲愛ちゃん。影の中は狭いからね」

「そんなに」

「……うん」


影に全て呑み込まれた?

暗くて、とにかく暗い。

私の手に誰かの手が……浴衣ちゃん?

私は手を握る。


「それじゃあ、移動するよ」


八重さんの声だ。

変な感覚だ。移動出来ているのかな?

浴衣ちゃんの言うように狭くて、息苦しい。

どれ位の時間が経ったんだろう?

……体が軽くなった。


「痛い」


……影の中から無理矢理出された。

外だ。

う~ん。久しぶりの外で体を伸ばす。

浴衣ちゃんは猫の様に体を伸ばす。

ここは?


「八重さん。ここにチーム[ドラゴノイド]の拠点があるんですか?」

「えぇ、近くにね」


八重さんは壁に身を寄せて周りを警戒している。

私も八重と同じように壁に身を寄せて覗いてみる。

そこには、二足歩行するドラゴン。

確かチーム[ドラゴノイド]は一人の能力者によって造られたドラゴンをメンバーとしたチーム。

警備しているのか二足歩行しているドラゴンは5~6体で歩き回っている。

屋上にも座っているドラゴンが居る。

ドラゴンの割りにそれ程大きく無い。

それにしても……団地の跡地に一人の能力者が住んでいるなんて……団地の跡地の周りには何も無い。車も家も人影も無い。

私の目線は自然と八重さんに向けられていた。

八重さんは一度、失敗したと言っていた。他のメンバーは殺され、八重さんは無事だった訳だけど……今の八重さんは何を考えているんだろう?

……成功させたい。ここに居る私も浴衣ちゃんも八重さんも生きてあの居場所に変えるんだ。


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