第688話 裁けない
エンマは強絶に攻撃が効かないと言う事実に能力を解除する。
それと同時にエンマの背後に居た閻魔大王は姿を消す。
「良いのか?」
「罪人で無ければ、攻撃は出来ないからね」
「攻撃は出来ずとも、世界で最も温度の高いその熱量が有れば、俺を骨を残す事も無く、殺せた筈だ」
「君の雷の壁はそう簡単には突破出来ないさ」
「……争いを好まない男とは聞いていたが、本当らしい」
「君とは別に、上原氷雪には攻撃は出来そうだが、止めておくよ」
「……言っておくが、人は殺していないぞ」
「閻魔大王を使用している間に感じたが、彼は能力はー」
「あいつは氷系統の能力、異能を愛しているのさ」
「……そう。そして、愛されているね。だからと言って、これは許されないよ」
「エンマ。ここで氷雪を殺そうとするなら、俺も戦う理由が出来る」
「その必要はないよ」
「そうか。氷雪、行くぞ」
強絶は氷雪を連れ、木山家へと向かっていく。
「雲雷。あの二人は手に終えないよ。橘強絶は円盤状のあの雷の壁は簡単には突破出来ないし、上原氷雪は趣味の悪いコレクターの様だ」
「……」
「分かっている。そんな事では諦める事が出来ない事は、でも、二人では無理だ」
「……だから[レジスタンス]を造った。いずれ橘強絶だけでも殺す!……だが、上原氷雪のコレクターってどうゆう意味だ?」
「……閻魔大王を使用時に俺は人間の罪に応じたものが見える」
「前に言っていたな。罪を犯したものに亡霊の様なものが取りついているんだろ?」
「……上原氷雪は五体見えた。五人に対して、何かをした。強絶は殺してないと言っていたが……本当かは分からない」
「見えるものによって、どんな罪なのかは分からないのか?」
「罪は罪だからね。ちいさな罪でも、大罪でもカウントは一つだよ」
「……エンマ……橘強絶には一切の罪はねぇのかよ」
「見えなかったよ。雲雷の話からそれは無いと思い攻撃はしたけど、閻魔大王は攻撃を停止した。雲雷は信じたくは無いだろうけど、橘強絶には罪が無い」
「そうか」
雲雷は地面に落ちている雷鳴雷轟手にする。
(橘強絶は一度は手に出来ていた。拒否はされていなかった。何故、嘘をついた?)
雲雷は雷鳴雷轟を消す。
「今は[レジスタンス]のメンバーを揃える」
「……あぁ。揃えたら、また橘強絶に挑むか?」
「今やっても、勝てないさ」
「そうか。……そうだな。早く行こうか」
エンマと雲雷は[レジスタンス]のメンバー達の居る場所へと動き始めようとしたその瞬間、背後からの足音に気がつき、足を止める。
 




