第685話 [レジスタンス]
[レジスタンス]
東京本部で最強を誇る橘家が本部を橘家とし、分家を立花家とした事で立花家は山梨支部へと追いやられた。立花家の次期当主である立花雲雷は本家と分家の争いで橘家の容赦無い攻撃で立花家の人間は多くの死者を伴った。この事を境に雲雷の考えは橘家の崩壊、すなわち東京本部の解体である。
雲雷は山梨支部に来てから、同士を集める為動いていた。
そんな雲雷の元に心強い秋人と言う存在が現れた。
「……兄貴の力が加われば、俺達[レジスタンス]の野望もまた一歩近づくな」
「……雲雷。そんな簡単に行くと思うか?」
「兄貴の力は見たろ?」
「……全ての力を食らうあの力誰も勝てないだろう?」
「おの力をものともしないイレギュラーな存在を知っている」
「お前か?檜山家は魔に対する耐性があるんだろ?エンマもあるんだろう?」
「……一週間後にエンマの名を襲名するんだ。俺はまだエンマを語る人間では無い」
「……で、誰なんだ?イレギュラーな存在って?」
「俺と同じく一週間後にゲンマの名を襲名する木山廉だ。あいつは何故かは分からないが、魔属性を一切受け付けない体質なんだ。全てを食らったあの能力も木山廉には全く効果は無いだろうな」
「……そんな奴居るのか?」
「居るさ。俺の弟と同い年でな。良いライバルだよ」
「ライバルね」
「雲雷。俺も能力者育成機関のやり方は好きにはなれない。でも、どこかで理不尽を受け入れる事も必要だとは思わないか?」
「エンマ。俺はそんな簡単には諦める事は出来ねぇよ。俺の妹を殺した強絶は俺が殺す!」
雲雷のその怨みを肌に感じたエンマはそれ以上の追求をすることは無かった。そんな雲雷の目に映ったのは強絶の姿だった。何故、ここに居るのか?何の用件があったのか?そんなに事を考える程の余裕等無い雲雷は即座に能力を発動させ、雷に覆われた剣の神器、雷鳴雷轟を手にする。
エンマは雲雷を止めようと手を伸ばすものの、雷鳴雷轟の効果で雷鳴雷轟を手にしている間、体に電気を流し、身体能力を向上させた雲雷の体を掴める事は無かった。そんなエンマは何故、強絶がここ山梨支部に来たのかその理由を理解する。強絶の向かう先には木山家の屋敷があることから強絶の目的が木山家の訪問である事を察する。
「……随分と恨まれているな」
強絶の隣に居た暗い青髪の少年が強絶に笑いながら語りかける。
「氷雪。笑い事ではすまんぞ」
「お詫びついでに、雷剣の男は対処してあげるよ」
氷雪は走り続ける雲雷の目の前に立ち尽くす。




