第671話 地下廊下
「……それは引き裂こうにしても、そんなに巻き付かれれば、身動きも取れないだろう?」
「……」
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ー地下廊下ー
ここにはチーム[ソード]の副リーダーのルーカスを含めたメンバー達に加え、佐倉湊斗が守りを固めていた。
そんな地下廊下にチーム[ヴァルハラ]のリーダーのベルセルク・フルベルク、副リーダーのジークフリード・アンサンブル、メンバーのブリュンヒルデ・キースは侵入を果たす。
「……皆のもの見た通り、この人数しか居ない。制圧せよ」
チーム[ソード]の副リーダーであるルーカスのその言葉を受け、メンバー達は走り出す。
「……動かないのか?君は」
ルーカスは向かっていたメンバー達に続かなかった湊斗へと語りかける。
「……侵入してきたその相手がどの様な戦略を仕掛けてくるのか、分からない内は僕は手は出さないよ。貴方と同じように」
「ふざけるな。それでは、私が部下達を利用して敵の出方を伺っている様な物言いだな」
「そう告げた筈だが」
二人が言い合って居るその最中、チーム[ソード]のメンバー達は一瞬で倒されると、ジークフリードが展開させた魔法陣を使用して、ルーカス、湊斗の背後に移動する。
湊斗はジークフリードへと向かい走り出す。しかし、直ぐにルーカスに止められる。
「悪いが、君には私と一緒にここで対処して貰おう」
「……分かった」
湊斗は振り返り、リーダーベルセルク、メンバーのブリュンヒルデが残っていたが、それ以外にも別のものがチーム[ソード]のメンバーを倒していた。
それは十鬼シリーズの風魔、雷魔が立ち尽くしていた。
「……僕達二人で四人を相手に出来ると……思うかい?」
「……相手にする必要はない。ここで足止め出来ればそれで良い」
「相手は確実に向かってくる。そうなると、戦う事は必死!」
「……だったら、相手を戦わせない様にすれば、良い」
ルーカスは全身から黒いオーラを放ち、その廊下の空間は何十倍の広さへと広げていく。
「……幻覚ですか?」
「どうだろうね。リーダーからは協力する様に言われているが、こちらの情報を渡せとは言われていない」
「……無理に聞いた訳ではない」
湊斗は能力を発動させ、水色の剣を手に取る。その神器は氷神雪剣は氷、水、雪の属性を一瞬にして、大量に産み出す事が出来る剣である。
そんな湊斗の目の前に風魔が立ち塞がり、ルーカスの目の前には、雷魔が立ち塞がり、ベルセルク、ブリュンヒルデの二人はその場から動く事無く、その戦いを見守ろうとしているのが、見てとれた。
 




